DM封筒で最適なのは透明ビニール?紙?開封率や活用法を徹底比較!
2018.05.01DMの効果測定記事一覧封書のダイレクトメール(以下:DM)には、おもに透明のビニール(フィルム)封筒と紙の封筒の2種類が使われています。そこで気になるのが、それぞれの封筒の効果。
「外から中身が見えるので、透明ビニール封筒の方が開封率は良い」という意見をよく目にしますが、はたして実際はどうなのでしょうか?
今回は透明ビニールと紙、それぞれの封筒の特徴から効果的な活用法、透明ビニール封筒を郵送する場合の注意点、そしてOPP封筒とCPP封筒の違いまで、徹底的に迫っていきます。
目次
徹底比較!透明ビニール封筒VS紙封筒
「透明ビニール封筒の方が紙封筒よりも開封率は良い」という意見は、ある面では正しく、ある面では間違いです。その理由はそれぞれの特徴にあります。
透明ビニール封筒と紙封筒のメリット・デメリット
ふたつの封筒の特徴をまとめたのが下の表です。
透明ビニール封筒
|
紙封筒
|
|
---|---|---|
メリット | 未開封でも中身が見える コストを抑えられる 強度防水性に優れている |
信頼感、安心感を与える 商材を選ばない |
デメリット | 高級感を演出しにくい ゴミの分別が必要 (宛名ラベル貼り付けの場合) |
開封しないと中身が見えない コストが高い |
注目していただきたいのは、紙封筒のメリットとビニール封筒のデメリット。
ビジネスだけでなく、役所からの手紙やお知らせにも使用される紙封筒は、受け取る人に信頼感や安心感を与えることができます。対してビニール封筒は、単価が安いということもあり、どうしても紙封筒よりチープに見えてしまいます。つまり、高級感や品質を訴求したい商品・サービス、ブランドのDMにはあまり適さないということです。
また、「未開封でも中身が見える」ことも一概にメリットとは言い切れません。言い方をかえると、「パッと目にした瞬間に興味を惹くことができなければ、開封されずにその場で即捨てられてしまう」ということでもあるからです。
開封率が良いのはどっち?
つまり、透明ビニール封筒と紙封筒、どちらの開封率が良いかというのは明確に言い切れるものではなく、「DMの内容(商材・クリエイティブ)と用途による」というのが正しい答えなのです。
それぞれの封筒に適した商材・用途をまとめると、次のようになります。
透明ビニール封筒
|
紙封筒
|
---|---|
ビジュアル訴求が効果的な商材 (食品、アパレル、美容系など) クーポンや商品券を使った集客 カタログなど分厚い封入物の発送 |
(オールジャンルOKだが、とくに) 高級感や高品質を訴求する商材 コンプレックス系商材 |
シズル感を演出しやすい食品や、デザインが重要なアパレルなど、ビジュアルで訴求しやすい商材のDMなら、封入物が見えるビニール封筒が効果的です。一方、いわゆるコンプレックス系商材と呼ばれる、ユーザーが購入を秘密にしておきたい商品のDMには紙封筒が適しています。
続いて、効果的にビニール封筒を活用するために必要なノウハウを紹介します。
透明ビニール封筒の種類
DMに使われる透明ビニール封筒は、「OPP封筒」と「CPP封筒」の2種類です。それぞれの特徴と活用法を紹介します。
OPP封筒とCPP封筒それぞれのメリット・デメリット
OPP・CPPともに、ポリプロピレン(PP)を素材とした合成樹脂フィルムです。大きな違いは製造方法。ポリプロピレンを伸ばして熱で固定したのがOPPで、伸ばさずに加工したのがCPPです。見た目だけでは違いはわかりづらいですが、それぞれ次のような特徴があります。
OPP封筒
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CPP封筒
|
|
---|---|---|
メリット | 透明度が高い 単価が安い |
強度が強い (傷がつきにくく破れにくい) |
メリット | 強度が弱い (傷がつきやすく破れやすい) |
OPP封筒より透明度が低い 単価が高い |
OPP封筒とCPP封筒それぞれの活用法
コストを抑えられることもあり、広く使用されているのはOPP封筒です。ただしCPPと比べると強度で劣り、ひっぱると破れやすいという弱点があるため、分厚いカタログや冊子などの発送にはCPP封筒が適しています。
また、どちらも基本は両面透明ですが、局印(※1)や宛名を印字するために片面を不透明(白色)にしたり、より中身への期待感を上げるためにカラフルなデザインを施したりと、加工して使われることもあります。
※1 局印…「料金別納郵便」「料金後納郵便」と記された丸または四角のマーク
透明ビニール封筒の開封率を上げるコツ
上述の通り、ただ中身を見せるだけでは開封率アップにつながりません。効果的なコツは、「開封するメリット」または「DMを読むメリット」を見せる(伝える)こと。ここではその具体的な方法と、反対に絶対にやってはいけないNG例を紹介します。
クーポンやサンプルを見せる
クーポンや商品券、無料サンプル品など、「お得」な特典(オファー)が入っていることが外からわかると開封率は高くなります。下の左イラストのように外側に目立たせて封入するのが定番ですが、右のように一部分だけ「チラ見せ」して、好奇心を刺激するのも効果的です。
封入物のキャッチコピーやビジュアルを見せる
特典を同封しない場合は、封入物(挨拶状・ちらし)のキャッチコピーやビジュアルを見せて、内容への期待値を上げるのも有効です。
ただし注意すべき点もあります。それは封入物のレイアウト。時々、下の左端のイラストのようにキャッチコピーやメインビジュアルの途中で折れているちらしを見かけますが、これでは訴求力が落ちてしまい効果が期待できません。
こうした事態を避けるためには、あらかじめ折った状態を想定してレイアウトを組む必要があります。間違っても、無地やゴチャゴチャして開封するメリットが伝わらない面が外側にくることがないように気をつけましょう。
思わず開封して続きを読みたくなるキャッチコピーの作り方については、こちらの記事を参考にしてください。
両面透明のビニール封筒で郵送するときの注意点
両面透明の封筒で郵送する場合、封入方法や宛名の場所次第で定型サイズでも定型外郵便扱いになることがあるので注意が必要です。
内容物のサイズ
長3封筒にA4サイズの封入物を三つ折りで封入すると、封筒の外周とのあいだに隙間が生まれます。紙の封筒であれば問題はありませんが、両面が透明のビニール封筒の場合、このままの状態で郵送すると定型外郵便扱いになることがあります。郵便法によって、「定型郵便物は片側から見て裏面まで透けて見える部分があってはいけない」と定められているからです。
対処法は「封筒とほぼ同サイズの紙を一枚封入する」こと。封入物と封筒の隙間が1~2mm以下であれば、定型郵便の料金で発送することができます。またこの紙は、別納・後納マークや宛名の印字、宛名シールの台紙の役割を兼ねることもできます。
切手・局印・宛名の場所
切手・局印・宛名の印字やシールの場所によっても、定形外郵便扱いにされる場合があります。
注意点は次の2つです。
- 封筒の外側に印刷・貼り付けない
- 上で紹介した、封筒とほぼ同サイズの封入物に印刷・貼り付けする
おわりに
一般的に開封率が良いといわれる透明ビニール封筒ですが、その効果を最大限生かすためには、さまざまなコツや注意点があるということをご理解いただけましたでしょうか?
また今回は一般的な使い方を紹介してきましたが、他にも中身が見えるメリットを生かして、プロモーション本番前のキャッチコピーやサンプル、オファーなどのテストにも活用することができます。とにかくコストを抑えられるという点で、紙封筒よりも使い勝手の良い封筒です。ぜひこの記事を参考に、効果的に透明ビニール封筒を活用してください。

DM Watch 編集部

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