在庫を一元管理するメリットとデメリットについて

2018.05.01物流記事一覧
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さまざまな業種に見られる在庫の「一元管理」。アパレル業界やインターネットを使用した販売など、商品の登録から受注、保管や発送など、在庫をシステム化させて管理する、つまり在庫の一元管理が効果的と言われています。しかし、周囲の企業を模倣しただけでは完成することができないのも事実。「在庫を一元化するメリットとデメリット」を考え、自社のシステムに合わせて適用してみるのはいかがでしょうか。

在庫の一元管理とは

「猫の手も借りたいほど忙しい」というのは、どの業界・職種にも起こりますし、この時期だけは多忙期という業種も数多くあります。とくに、物流にかかわる管理作業には、時期にとらわれず、常に忙しくときには混乱しかねません。

確実に業務を遂行しなければならない一方で、適切な管理体系が構築されていないと業務量は増加し、余計な手間と無駄な時間が増えるばかりです。その管理業務の「ムダ」を削減するために必要なのが一元管理です。

物流業務の様々なカテゴリーの中でも、他業務の連動する効率化を図ることが可能になるのが在庫の一元管理です。

物流業務における在庫の一元管理は、作業効率の向上を目的とし、受注・在庫・商品管理の各方面で作業をシステム化することが必要不可欠となります。すでに、アパレル業界やECサイトで浸透している「在庫の一元管理」システムは、複雑化しやすい業務を簡略化してきました。この管理システムは、社内の作業時間を有効に使い、安定した物流システムの構築につなげることが可能なものです。

一元管理のメリット

受注・在庫・商品の各分野における管理をひとつにまとめ、在庫数を多数のサイトで受注や販売する方法。作業を効率よく進めるために欠かせないシステムでもあるこの一元管理の「メリット」について紹介します。

受注にかかわる管理ステータスの更新が可能

物流の管理を一元化すると、「受注」にかかわる情報を素早く得ることができます。管理上のステータスが、「受注完了」になっているのか、「入金待ち」、「配送途中」なのか、もしくは「配送完了」となっているのかなど、顧客が必要としている情報、状況を提供することが可能となります。

また、管理されていない状況で頻発する「情報の行き違い」や作業の重複を防ぐことにも繋がります。

また、受注に関係するそれぞれのステータスをインターネット上で管理することが可能であるということです。これらの受注にかかわる状況を関係する本社、支店、各部署や店舗で、インターネット経由で最新の情報をキャッチし、更新された情報をすばやく確認できます。

これにより、エンドユーザーとなるお客さまが、どのような状況なのかを把握しやすくなります。一般的な商品の状況についての問い合わせに、迅速に対応できるメリットに繋がります。

在庫や保管業務コストの削減が可能

ECサイトであれ、実際の店舗で販売する場合であれ、在庫や保管場所が複数になると、物品が分散されていることになります。その結果、作業が複雑になりコストの増加に繋がります。一元管理における最大のメリットは、「在庫保管、作業時間に係るコストの削減が可能になる」ということでしょう。そのため、在庫や保管場所がまとめられるので、販売にかかわる商品管理の流れが、効率よく進められます。

店舗での購入は、店の規模にかかわらず、商品を手に取って確認したり、購入するものをその場で比較して選んだりするのが一般的です。店舗に在庫がない、サイズが違うので問い合わせが必要、さらにもう一度来店して商品を受け取るなどの方法で購入します。

しかし、ECサイトなどのネット販売には、管理された在庫情報があれば、その中から商品を選びます。ですから、管理システム上にある購入画面に、商品の説明や在庫数が表示されていれば、お客さまが判断して商品を注文するシステムになっているのです。

一元管理のデメリット

在庫の一元管理化には、さまざまなメリットがあり、企業のさらなるステップにも踏み出すことが可能なシステムです。しかし、サイトや店舗の規模によっては、一元化することで「デメリット」になりかねないことも発生します。

複数購入時の悪影響

サイト内のモールで販売するとき、購入予定のアイテムと他のブランドとをセットで購入することもあります。モール側で在庫していない場合、もしくは到着までのタイムラグがある場合は、「商品取り寄せ」と同じことです。そのため、お客さまからの注文に対して、セットでの購入であっても配送は別々になるため、サイト内、もしくはモール側での配送費の負担が問題となります。

さらに、セット商品として同時に購入できないということがわかると、お客さまの購入自体がほかの商品や他のサイトに変わってしまうこともあり得ます。2点以上の購入やセット商品など、複数商品の一括発送には問題となりかねないのが、「配送費の負担」になります。

複数の会社を一元化することに負担

一元化するには、それぞれの部署をまとめることが必要です。簡単にいえば、複数の会社が合併しないまでも、ひとつのシステム上で機能するということになります。インターネットの購入画面にカートが表示されていれば、「カートシステム」の企業、カートへ商品を提供している「各商品を扱う会社」、その商品を配送する「運送会社」などが、個別会社となっているからです。

「カートシステム」の企業、「各商品を扱う会社」、「運送会社」など、物流にかかわるそれぞれの会社が、事業にかかわる範囲以外では、関知しないもしくは非協力的ということも散見されます。業務提携の契約をしていても、面倒と思えることは、自社以外に振り分けようとするものです。

そこで必要となるのは、この一元化したシステムを取りまとめる管理者、つまり「マネージャー」の存在は重要です。システム全体を考えると機能していない、管理のために費用が掛かりすぎるという状況が生じては、物流を一元化するメリットが半減します。
複雑な仕組みは、かえって利用者の低減や情報の錯綜を招くことになり、結果として逆効果になる可能性があることも事実です。

商品到着の遅延による影響

スーパーマーケットで、野菜、肉、調味料、洗剤などを購入しレジに向かうのが、買い物のオリジナルスタイルです。1件のスーパーマーケットで商品が揃わない、もしくは在庫がない場合は、別の店舗に買いに行くか購入が遅れることになります。

これを、インターネット上で行うことも、当然可能。しかし、ひとつのカート、サイトやモールで商品を購入しようと思っていたお客さまにとっては、商品の到着が遅れることや別の店舗で購入するということになります。そのため、商品の遅れは、購入自体がなくなることもあり、顧客離れにつながりかねません。

さらに、物流の一元化の観点からすると、複数のサイトやモールから倉庫への配送、商品到着後のそれぞれのモールからの配送などが発生します。発送時間の観点からみても、お客さまへの到着が遅れることになるのです。「即日配送」や「翌日配送」が一般的になっているにもかかわらず、商品が遅れるとなると、遅延が売上に影響する可能性は否めません。

配送費向上は計算外

予算では、物流費の5~12%と計算していても、必ずといってよいほど増加してしまうのが配送費といわれています。

  • 在庫不足による追加発注や個別発注による配送費
  • 複数のサイトやモールとの取引により、各モールへの配送費
  • 納期を意識し、混載便からチャーター便に変更した場合の追加料金/li>

こうした料金は、提携先モールの規模が大きく、1か所で揃えば配送料も抑えられます。しかし、複数のサイトやモールを使用している場合には、必然的に上がってしまうのがこの配送費です。この場合は、一元化しても利益を減らしてしまう可能性があります。

おわりに

複数のサイトやモールの在庫をすばやく管理する上で役立つ一元管理も、管理を行う「管理者」の技量が関係します。とはいえ、マンパワーだけを投入したところで、順調に流れるものでもありません。問題となる商品の在庫管理と配送費の仕組みをしっかりとつかみ、最適なシステム化をすることで物流の一元管理は整います。この仕組みが構築された物流こそ成功するかが決まるわけです。

 

タグ : コスト削減
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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。