過剰在庫が起きる原因やリスクと過剰在庫を削減するための対策方法

2019.09.26物流記事一覧
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メーカーや小売事業者にとって、在庫は切っても切り離せないものです。

適切に管理しなければいけない在庫ですが、メーカーや小売事業者が一番気を付けなければいけないモノの一つが「過剰在庫」です。

今回はそんな「過剰在庫」についてご紹介します。

過剰在庫のデメリット

「過剰在庫」とはどういったものなのでしょうか。そもそも在庫とは、決して悪いものではありません。在庫というと、倉庫に詰まれている売れ残りというイメージがありますが、在庫はれっきとした企業の財産です。切な在庫は、企業にとって売り上げをもたらす存在ですが、それを需要以上に仕入れた・製造してしまったものが過剰在庫です。

過剰在庫は、企業にどのようなデメリットをもたらしてしまうのでしょうか。代表的なデメリットをいくつかご紹介していきます。

在庫を維持する費用が掛かる

在庫を保管・管理していくためには、スペースが必要です。そのため、在庫の分だけ保管料がかかります。また、いくら在庫だからといっても、雑に扱うことも出来ず、在庫を数えたり管理費も発生してきます。

さらに、在庫には移動・運搬も発生します。売れていく在庫と売れ残る在庫があった際、保管スペースを最大限確保するため、在庫を移動させる必要が出てくることがあります。そのようなとき、無駄な在庫を移動させることは全く価値を生まない労力になってしまいます。

このように、在庫はあるだけで、移動・保管・管理の手間や費用が発生してしまうのです。

廉価販売のもとになる

需要と供給のバランスがとれている際、在庫は適切な価格で市場に出ていきます。しかし、過剰在庫のモノの場合、適切な価格よりも安い価格で売らざるを得ない状況になることがあります。このような状況になってしまう理由の一つとしては、適切な販売タイミングを逃してしまうことが挙げられます。売れ残った商品の価格はどんどん下がってゆきます。販売価格が低下することにより、企業の利益率が低下してしまうデメリットがあります。

経年劣化による廃棄のもとになる

上記のように販売タイミングを逃すと、販売価格の低下を起こしてしまいますが、一番最悪なケースが廃棄です。賞味期限のある食品などの場合、賞味期限が近付くと廃棄せざるを得ません。商品を廃棄することは、せっかくお掛けをかけて作った商品が、一切お金になることなくゴミになってしまうことを意味します。さらに、廃棄にはお金がかかるため、さらに経営を悪化させてしまう原因になります。

販売機会の損失につながる

過剰在庫は、コストがかかるだけでなく、売上増加を妨げてしまうこともあります。例えば店舗の場合、店舗のスペースや棚の広さは限られています。

売れない商品を並べてしまっていることで、売れる商品の販売機会を奪ってしまうのです。売れない商品を並べるのなら、売れ筋商品の棚を拡充したり、新商品を並べて販売テストをした方が良いでしょう。

キャッシュフローの悪化につながる

企業が資金を使って商品を作ることは、売上を上げるために必要なことです。このような観点から、在庫は資産とみなされるわけです。

しかし、在庫がいつまで経っても、売上に変わらないことは企業にとってリスクでしかありません。最悪のケースでは、黒字のまま倒産してしまうことさえ考えられます。

過剰在庫が発生する主な原因

過剰在庫は、企業にとって大きなデメリットがあることは分かりましたが、過剰在庫はなぜ発生してしまうのでしょうか?

原材料や部品不足を避けるため

生産に仕入が必要な商品の場合、重要なのが原材料や部品の確保です。原材料や部品は様々な外的要因において、数が足りなくなったり、必要な納期に間に合わない可能性があります。

そこで、原材料不足や部品不足を避けるために、十分に原材料・部品があるうちに一気に仕入れて製品をつくってしまいたい。と思うことがあります。こういった場合に、仕入れと製造が一時的に多くなり、過剰在庫が生まれます。

設備不良や製造人員欠員によるリスクを減らしたい

生産や製造には、機械や人が欠かせません。しかし、生産設備が急な故障により動かなくなってしまう可能性はゼロではありません。

また、製造部門の人員もシーズンによって需要と供給のバランスが一定ではありません。そこで、設備が無事なうちに製造を行ってしまったり、人員が足りているうちに製造を行うことがあります。このような時に、過剰在庫は生まれます。

在庫の責任者が明確でない

在庫とは、企業のお金が姿を変えたものであり、企業の資産になりえます。そのため、貸借対照表などでは資産として扱われたり、損益計算書では損失として計上されないこともあり、経営資料上の数値としては見えにくい側面があります。つまり、在庫管理の責任者が明確でない場合、どれだけの在庫を抱えているかが正確に管理できずに在庫が過剰になってしまうことがあるのです。

需要予測や販売計画が誤っている

生産が数字通りに順調に進んでいても、過剰在庫が生まれることがあります。それは、「これだけ需要があるだろう。」「来年はこれだけ販売出来るだろう。」という需要予測・販売計画が誤っているパターンです。

需要は、世の中のトレンドや社会情勢、天候などによっても大きく左右されることがあります。このように供給が需要を大きく超えてしまった場合、販売が進まず、過剰在庫が生まれてしまいます。

販売機会を減らしたくない

在庫管理と、販売部門が切り離されている場合、過剰在庫が生まれやすいです。

販売部門にとっては、達成すべき数値は売上です。そのため、欠品による販売機会損失を非常に嫌い、在庫は需要よりも余分にあることが重要であり、充分な在庫を抱えたくなります。

販売拠点がいくつもある場合は、そのすべてで充分な在庫を抱えることになり、合わせるとかなりの量の過剰在庫となるケースがあるのです。このように、生産・管理・販売のそれぞれの部門において、過剰在庫を生んでしまう原因が有ります。

過剰在庫を防ぐためポイント

では、どのようにして過剰在庫を防げばよいのでしょうか?

適切な在庫量の分析・把握

在庫は、多すぎてもコストになってしまいますし、逆に少なすぎても販売機会損失になってしまいます。
そこで、重要なのが適正な在庫量を把握することです。

適正な在庫量は、過去のデータなどから求めることが出来ます。まずは、商品ごとの適正在庫量を把握することが重要です。

在庫の見える化

適正な在庫量を把握しても、現時点での在庫量が正確に把握できていないと意味がありません。

そこで、倉庫・在庫管理システムなどを用いて、在庫量や位置などを見える化させることが重要です。

正確な需要予測

商品の需要は、時代や季節によっても大きく異なります。

商品の特性をしっかりと理解し、過去のデータなどから需要の予測を正確に行うことで、売上を最大化させつつ在庫を減らすことが出来ます。

おわりに

在庫の重要性、過剰在庫のリスクについてご紹介してきました。確かに過剰在庫は企業にとって大きなリスクですが、在庫は企業にとっての売上に変わる重要なものでもあります。適正な在庫量と需要をしっかりと把握し、在庫を最大のチャンスに変えていきましょう。

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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。