越境EC運用で気をつけたい各国の主要な決済システムについて

2019.04.11物流記事一覧
Pocket

近年ネット通販業は国内だけでなく海外の消費者にも目を向け、越境ECを行う企業が日本だけでなく世界中で増加しています。

日本ではネット通販の支払いと言えばクレジットカードの他に、代金引換や銀行振込、コンビニ支払いなどが存在しますが、海外ではこれらの決済システムは殆ど使われず、その国独自のオンライン決済システムが主流となっています。

特にネット通販大国と言われる中国やアメリカではクレジットカードと同じ様に世界中で使え、かつ安全性の高いオンライン決済システムが支払い方法のトップシェアとなっています。

今回は越境ECを行うのであれば知っておきたい、今ネット通販で使用される決済システムについて解説します。

なぜ決済システムが重要なのか?

かつてはクレジットカードが海外のネット通販の決済システムではトップシェアでしたが、ここ数年で大きく様変わりしました。

中国では中国の銀行カード協同組合である中国銀聯のUnionPay、また中国で開発されたAlipay、WeChatPayなどの決済システムが支払いの90%以上を占めています。

アメリカでは日本でも普及しつつあるPayPalが個人の口座に入金でき、オンライン決済ができるシステムとなっており、米国でのEC支払いの約90%とトップシェアを誇っています。

各国で通貨が違い、為替の影響が出てしまう越境ECは元々クレジットカードの支払いが最も便利でしたが、現在は完全にこれらの決済システムにトップシェアを奪われています。

ここまで普及した背景には「手軽さ」と「安全性」の2つがあるからなのです。

まずこれらのシステムはスマホやPCにID入力でログインして支払うことができるクレジットやデビットカードの機能や、非接触型のスマホ支払いなど使用者のニーズに合わせた支払い方法を選択することができます。

さらに、クレジットカードでは近年、カード番号と裏面のセキュリティー番号が盗まれネット通販で購入されてしまうと言ったような事件も多発しており、安全面が懸念されています。

しかし、最新の決済システムは簡単に盗む事ができるセキュリティー番号のようなものは無く、専用口座に入金することでデビットカードのような使用ができたり、またスマホでQRコードを読み取るなどして非接触型の決済もできるためクレジットカードよりも安全に利用することができます。

さらに、近年中国のオンライン決済サービスの大手Alipayでは、同グループが運営する中国最大級の通販モールであるアリババで商品を購入すると、購入時ではなく商品が到着した時点で引き落としがされるという商品未着のリスクも回避できる支払いもスタートさせました。

これら最新の決済ツールは今後さらに進化していくと予想されています。

世界で多く使われる決済システム

PayPal、Alipay、WeChatPayの3つのオンライン決算システムが世界で多く使われているシステムになり、2016年の取引高は下記のようになっています。

種類
取引額(米ドル)
Alipay 1兆7,000億ドル
WeChatPay 1兆2,000億ドル
PayPal 3,540億ドル

ネット通販を利用している人口が圧倒的に多い中国で使われるAlipayやWeChatPayが群を抜いて高くなっておりPayPalの取引額が引き離されているように見えますが、これらの額にはネット通販だけではなく実店舗での支払額も含まれるため、ほぼネット通販だけで支払われるPayPalもかなりの取引額なのです。

中国以外の国々ではPayPalのシェア率が高く、毎年取扱額が20%~30%も伸びているため、数年後には現在のアメリカン・エクスプレスカードの取引額と同等の1兆ドルに達すると予想されています。

各国で使われる主要決済システム

越境ECに関する主要な国々での決済システムのおおよそのシェア率は下記になります。

アメリカ
中国
イギリス
韓国
香港
1位 PayPal(90%) Alipay(49%) クレジットカード(40%) クレジットカード(80%) PayPal(80%)
2位 クレジットカード(8%) 銀聯(41%) デビットカード(35%) デビットカード(15%) 銀聯(12%)
3位 銀聯(1%) PayPal(8%) PayPal(21%) その他 クレジットカード(8%)

ネット通販大国と言われる中国、アメリカでは既にクレジットカードのシェア率はかなり低く、最新のオンライン決済システムが高いシェア率を誇っています。

アメリカや中国での越境ECを成功させるためには、Paypal、銀聯、そしてAlipayの対応は必須であると言えます。

各決済サービスについて

PayPal

アメリカのPayPal社がスタートさせた決済システムは2018年現在で世界のおよそ2億人以上がネット通販を中心に利用しています。

アカウント開設や維持に関しては無料なので手軽に使用することができ、国内間での支払いであれば手数料がかからないため、本国アメリカや香港では越境ECで最も利用されている決済サービスになります。

クレジットカードやデビットカードを登録し、PayPalアカウントにチャージをして支払うシステムなので、カード番号を相手側に知られることが無く安全性も高いのです。

銀聯UnionPay

銀聯のUnionPayは世界中で60億枚を超え、デビットカードとクレジットカードを合わせると世界一の発行数を誇り、国が主導になり作られた決済システムであるため、中国本土では圧倒的な信頼があります。

ほとんどの銀聯UnionPayカードが審査のいらないデビットカードで、利用するたびに登録した銀行口座から引き落とされるという支払い方法になっています。

中国との越境ECはもちろん、中国へ旅行に行くのであれば必ず持っていたい必須のカードとなります。

Alipay

Alipay(アリペイ)とは元々中国最大のネット通販モールであるタオバオ用の決済として運営会社のアリババグループで誕生し、カード支払いではなく非接触系のQRコードの読み込みや、ネット通販でのログインで支払いする決済システムです。

スマートフォンで容易に支払いができるため、通販だけでなく一般の店舗のレジにも専用端末が設置され、モバイル系の決済システムでは中国ではトップシェアを誇っています。

導入時の注意点

日本から世界に販売する越境ECを行う店舗や企業は年々増加していますが、それに伴いトラブルも増えています。

まずは日本から海外に商品を発送する際には商品代金や送料の他に関税がかかることをサイト上に明記する必要があります。

TPPにより今後関税は廃止される方向に動いていますが、現在は日本国内で取引する通販とは違い輸出入された商品には関税がかかります。

基本的に関税はその国々で割合が決まっており、購入者側に支払う義務があるのですが、サイトにその旨の説明が無いと、送料と商品代金だけで届くものだと思っていた消費者からクレームを受ける可能性があります。

また、中国では入金だけして商品を発送しなかった、劣悪な商品を送りつけてきた等というトラブルも多く発生しています。

そのため越境ECを行うのであれば、AlipayやPayPalなど返金対応も可能で、商品受取後の引き落としサービスなども利用できる安全で信頼のおける決済システムが複数選択できるようにしておくことが大切です。

おわりに

今やネット通販業を成功させるためには越境ECが欠かせなくなっています。

そのため海外のECモールに出店する際はその国で使われている決済システムを把握しておくことが重要で、今後新たな主流となる決済サービスにもいち早く対応していくことが、越境EC成功の鍵となります。

タグ : マーケティング
Pocket

The following two tabs change content below.
DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。