ダイレクトメールも値上げ対象!?主要運送企業の値上げ幅と対策について

2018.08.16物流記事一覧
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通販・EC会社にとって、切っても切り離せないのが商品の運賃です。近年では、ドライバー不足や燃料費の高騰もあり、運送業界全体で運賃の値上げが実施されています。

事業者として、運賃値上げはどう対策していけばよいのでしょうか。

送料の値上げが続く…

2017年10月からヤマト運輸が実に27年ぶりに運賃を全面改定しました。また、ヤマト運輸を皮切りに、佐川急便が2017年11月、日本郵便が2018年3月に運賃値上げを実施しました。

これにより、宅配便大手三社すべてが値上げを実施したことになりました。

各社の運賃の値上げ幅は以下の通りです。

宅配便三社の関東から関西へ送る場合の送料の値上げ幅

宅急便 飛脚宅配便 ゆうパック
改定後運賃 値上げ幅 改定後運賃 値上げ幅 改定後運賃 値上げ幅
60 940円 +140円 800円 ±0円 950円 +110円
80 1,140円 +140円 1.050円 ±0円 1,180円 +110円
100 1,360円 +160円 1,360円 +60円 1,410円 +110円
120 1,580円 +160円 1,660円 +160円
140 1,780円 +180円 1,780円 +230円 1,910円 +190円
160 1,980円 +180円 1,980円 +180円 2,120円 +190円
170 2,480円 +230円

もう少し詳しく見ていきましょう。

ヤマト運輸の送料改定

ヤマト運輸では、宅配便大手三社の中では一番早く、2017年10月1日に運賃改定を行いました。
運賃の値上げ幅については、ほとんどの地域では上記の表の関東から関西に送る場合の通りですが、四国・九州・沖縄については上記の限りではありません。

60サイズ、80サイズ +40円
60サイズ、80サイズ +60円
60サイズ、80サイズ +80円

となっており、上記より値上げ幅が低くなっています。四国・沖縄発、関東着の場合も上記と同様です。

四国・沖縄は現行の運賃設定時と比べ輸送環境・輸送方法が変化したため、地域別料金設定を見直した。とのことです。

また、クールオプション料金は値上がりしていません。

佐川急便の送料改定

佐川急便は、2017年11月12日より運賃の改定を行いました。
また、全てのサイズの荷物ではなく、100サイズ以上の荷物についてのみ運賃を上げています。

さらに飛脚クール便のクール料金についても、以下の通り値上げを実施しています。

サイズ 現行 改定後
飛脚宅配便運賃 クール料金 合計 飛脚宅配便運賃 クール料金 合計
60 800円 150円 950円 800円 250円 +1050円
80 1,050円 150円 1,200円 1,050円 300円 1,350円
100 1,300円 250円 1,550円 1,360円 400円 1,780円
140 1,550円 300円 1,850円 1,780円 650円 2,430円

日本郵便の送料改定

日本郵便は、大手三社の中では一番遅く、2018年3月1日に運賃改定を行いました。

日本郵便もほとんどの地域で最初の表の通りの値上げ幅ですが、沖縄発着の荷物のみ値上げ幅が異なります。

沖縄発着の荷物の値上げ幅
60サイズ +40円
80サイズ +90円
100サイズ +140円
120サイズ +190円
140サイズ +240円
160サイズ +240円
170サイズ +290円

各社、地域やサイズなどの条件は異なりますが、大幅な値上げを実施したことは確かです。

値上げの背景

なぜ、このタイミングで大手三社すべてが値上げに踏み切ったのでしょうか?各社は値上げの理由として、以下の背景を挙げています。

ヤマト運輸

配送業務の現場はかつてない厳しい状況にあり、日本全体の人手不足によって労働力の確保も困難です。
さらに、事業税の増税や社会保険適用範囲の拡大など、社会制度にも大きな変更がありました。
私たちは、こうした環境変化をふまえ、これからも宅急便のネットワークを維持、発展させていくため、また、
その担い手である社員の健全な労働環境を守るため、27年ぶりに運賃を全面改訂いたしました。

引用元:ヤマト運輸

佐川急便

飛脚宅配便および飛脚ラージサイズ宅配便の運賃改定について

下記、喫緊の課題へ対応すべく運賃改定を実施いたしました。
・集配コスト増加に伴う対応
・受取方法の多様化への対応(コンビニや宅配ロッカー受取の対応等)
・輸送品質の維持向上に伴う投資コストの増加

飛脚クール便付加料金改定について

下記、喫緊の課題へ対応すべく飛脚クール便付加料金の改定を実施いたしました。
・輸送品質の維持向上に伴う投資コストの増加
・取り扱い個数増加に伴う施設増強への対応
・取り扱いサイズの変化(100サイズ以上の取扱い個数の増加)
・フロン排出抑制法への対応に伴う冷凍冷蔵施設点検コストの増加

引用元:佐川急便

日本郵便

個人のお客さまが宅配便を利用する機会が増えている中で、共働き世帯や単身世帯の増加などライフ スタイルや社会の変化に対応するため・・・
あわせて、人件費単価の上昇等に対応し、引き続き安定的なサービスを維持していくため、ゆうパ ック運賃の改定等を行います。

引用元:日本郵便

やはり、人件費の上昇・持ち戻り率の上昇・燃料費や税金などの上昇が各社理由として挙げられています。

値上げに対する対策は?

宅配便大手三社すべての値上げを受け、ほぼすべての通販・EC事業者は物流費が上昇し、利益の圧迫が避けられなくなりました。

この状況に、通販・EC会社はどのような対策を取れば良いのでしょうか?

対策方法として、「商品代金・配送料などのユーザーへの改善」「業務改善・配送方法の変更」の大きく2つが挙げられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

商品・配送料などのユーザーへの改善

まず、実施しやすい対策が、商品代金への転嫁や配送料の値上げです。

送料込みの商品の場合は、商品代金を値上げすることが必要です。
また配送料を別に設定している場合は、配送料を値上げすることをやむを得ないでしょう。

しかし、宅配便大手三社の値上げが全国ニュースでも取り上げられており、通販の大手企業も値上げを実施しているため、商品代金値上げや配送料の改定にユーザーの理解が得やすいタイミングということも確かです。

これを機に思い切った商品代や配送料の改定をすることも有効な対策といえるでしょう。

業務改善・配送方法の変更

商品代や配送料の値上げを実施したくない場合は、業務改善や配送方法の変更が有効な手段になるでしょう。

具体的には、配送業務の外注や外注先の変更が挙げられます。

自社で配送業務を行っている企業にとって、外注はコストアップになるというイメージが強いですが、必ずしもその通りではありません。

配送業務の委託事業を行っている企業は、必然的に年間の荷物取扱量が多いため、配送料が抑えられているケースがあります。

また、配送料が地域によらず一定になっていたり、利用料金に配送料が含まれているケースもあるため、全体的なコストを考えると、コストダウンに繋がる可能性があります。

また配送業務を外注したことにより、その人件費や人手を売上アップや新サービス開発などに充てることも可能になるかも知れません。

なかなか業務全体の改善を考える機会はありません。これを機に配送業務全体の改善を考えてみるものいかがでしょうか。

おわりに

通販・EC事業者にとって、運賃値上げはかなり大きな課題です。

しかし、事業自体が宅配便企業に支えられているのも確かです。

業界全体の働き方や会社の利益体質の改善のために必要な変化・改善だと認識して、前向きにこの課題に向き合うことが重要といえるでしょう。

 

タグ : コスト削減
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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。