越境ECを始める際に気をつけたい物流・配送・決済などのポイント

2019.04.06物流記事一覧
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近年ネット通販業界は楽天やYahoo!ショッピング等web上のモールに出店する方法が簡略化され容易になり、企業だけでなく個人販売も様々なモールに出店するようになったため、一種類の商品に対して多数の店舗が販売している、という状況も珍しくなくなりました。

日本国内の限られた顧客を取り合う状況では今後販売件数を伸ばすことはもちろん、新たなライバル店舗の参入により販売数が減ってしまう可能性も大いにあります。

そのため今は販路を世界中に広げることができる越境ECが注目されており、個人法人問わず利用する国内の店舗が増加しています。

今回はこの越境ECがどのくらいの規模で、どのような出店方法があるのか、またメリットやデメリットについて解説します。

越境ECとは?

越境ECとは読んで字の如く日本国内を越えて、すなわち越境してEC(ネット通販)を行うということで、様々な出店方法で世界中のまだ見ぬ顧客達に商品をアピールすることができる販売方法です。

日本は年々外国人観光客が凄い勢いで加速しており、クールジャパンという言葉が存在するように日本の高品質な商品、また伝統的な商品は海外で高い評価を得ています。

来日した外国人観光客が日本の家電などを爆買いするというニュースがよく見られますが、最近は国際郵便のEMSや世界最大のロジスティクス企業であるDHLなどの世界中に配送網がある運送会社が手軽に利用できるようになり、チャンスを活かそうと越境ECで販売を行う日本の店舗が増加しているのです。

もちろん送料は国内よりも高くはなりますが、本当にその商品がほしいと願う外国人は送料を考慮しても購入する傾向にあるため、日本の越境ECの規模は年々拡大し続けているのです。

越境ECの市場規模は?

世界の国々でネット通販が盛んな国は言うまでもなく中国とアメリカです。

日本の店舗が出店している越境ECでこの二カ国への販売件数、売上高は年々増加しています。

日本から中国の消費者への越境ECでの販売高は2017年の1年間で1兆2,978億円、前年よりも25.2%の伸び、さらにアメリカの消費者への越境ECの売上高は7,128億円で前年比15.8%の伸びとなっています。

4年後にはさらに米国は1.67倍、中国に至ってはさらに2.2倍もの規模になると予測されており、自社の売上を伸ばすには避けて通れない販売網となることでしょう。

越境ECのメリットとデメリット

越境ECを成功させるには「その国のECモールに出店する」という方法が現在最も効果的であると言えます。

日本で言うところの楽天やYahoo!ショッピングなどのECモールは中国やアメリカでも多く存在しています。

オリジナルのECページを作るよりも販売手数料や出店料はかかりますが圧倒的な集客力を持つモールへの出店が越境ECをスタートさせる基本なのですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。

越境ECのメリット

  • 中国やアメリカなどの大量消費国に商品を販売することができる。
  • 日本国内でサイトの作成や発送業務が行えるため出店コストを抑えられる。

越境ECのデメリット

  • ECショップ開設や作成に当たりその国の言語力が必要になる。
  • お客様とのやり取りにも言語力のあるスタッフを常駐させる必要がある。
  • 日本にはないその国独自の決済方法を設定する手間がかかる。
  • 出荷後キャンセルや受け取り拒否の荷物のやり取りに時間がかかる。
  • 商品価格や売上高などが為替の影響を受けてしまう。

上記のように細かい日々の通販業務で日本国内での販売よりも手間が必要になるデメリットが存在するのですが、商品力さえあればこのデメリットを差し引いても中国やアメリカなどに販売網を広げることは大きなメリットとなることでしょう。

始める際のポイント

越境EC用のモールは世界中に多数存在しますが、どこの国の消費者をターゲットにしたいのかで使用するサイトや決済、物流の方法などが大きく変わってきます。

使用するサイトについて

国ごとに言語を変え自社の専門ECサイトを作ることも可能ですが、労力も初期費用もかさんでしまいます。

そのため一番効率的に越境ECを始めるのであれば現地のモールに出店する方法がベストだと言えます。

まず最大のネット通販消費国である中国へ越境ECであれば一度は企業名を聞いたことがあるかもしれないアリババグループが運営するT-mall(天猫)です。

流通額は2016年度で20兆円規模、会員数6,500万人以上というモンスター級のECモールです。

日本の大手通販企業の楽天でも日本国内の流通額は2016年度で約3兆円なのでその規模の大きさがわかるかと思います。

もちろん日本企業も越境ECとして日本国内に倉庫を構えながら参加することは可能なのですが、T-mallは大手ハイブランドも多く出店しているため偽物の取締には厳しく、中国での法人アカウントの取得が必要になり、年会費や販売手数料も必要になります。

そのかわりこの中国最大のECモールに出店できれば間違いなく販売網は大きく広がることでしょう。

また米国での越境ECであれば日本と同じ様にトップシェアを誇るAmazonがおすすめです。

日本のAmazonにて商品を個人や店舗が出品することができるMarketplaceがアメリカのAmazonにも機能として備わっています。

出店やサポートに関しては当然英語になりますが、言語以外は日本と同じ様に設定などができるので、既に国内のAmazonで販売しているのであれば、試してみる価値はあるでしょう。

決済方法

越境ECを行うのであればPayPalの対応は必要不可欠であると言えます。

もちろん現在もVISAやMasterCardと言った一般的なクレジットカードの支払いも主流なのですがPayPalは安全性の高い支払い方法として世界中で利用されています。

PayPalはアカウントにクレジットカードなどを使って入金することができ、そこから支払われるためクレジット番号を他社に知られることが無いため米国のEC決済はPayPalがトップシェアを誇っています。

さらに中国での越境ECであればALIPAY、よく日本でも電気店などで見かけるようになった中国銀聯のUnionPay、この2種類が中国の通販支払いの9割前後を占めているため必須となります。

上記の支払い方法ももちろん為替の変動の影響を受けてしまう場合もありますが、世界中で利用されている安全性の高い支払い方法を使用可能にすることで、信頼を得ることができ販売実績が確実に伸びることでしょう。

物流の対応

越境EC様に海外発送に対応している物流会社は多く存在しますが、日本からの発送であれば圧倒的にEMS国際スピード郵便が便利で国内でトップシェアを誇っています。

各国の郵便事業と提携しており日本中の郵便局で出荷ができ、配送状況の追跡や損害補償などもついているため、日本のほとんどの越境EC店舗で利用されています。

おわりに

今後も少子高齢化による人口減、または国内EC店舗の増加により日本国内はさらに顧客獲得が難しくなってくると予想されます。

今のうちに海外にもマーケットに目を向け、越境ECで販路を広げていくことが今後生き残っていくために重要であると言えます。

タグ : マーケティング
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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。