物流にかかるコストの種類と各物流機能の用語について

2018.05.01物流記事一覧
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「物流」は、様々な企業において、コスト削減を考えることのできる経費の一部であり、ときには企業利益に直結します。とはいえ、コストだけのために物流費削減を進めてしまうと、製品や成果物の価値を左右しかねません。そこで、ビジネスのさまざまな場面で活躍する「物流にかかるコストの種類」、輸送・保管・荷役など「各物流機能の用語」の知識は重要なためここでご紹介します。

物流コストの種類は

物流とは、原材料や製作など生産過程から、製品や商品の配送など、店舗や消費者の手元に到着するまでの、「物の流れ」を指しています。ロジスティクス用語では、物流を「物理的移動」として説明されていることが多いでしょう。

この物流の過程には、原材料から製品になるまで、もしくは商品として顧客に届くまでにかかる物理的移動に発生するすべての費用が含まれます。「輸送費」、「保管費」、「在庫費」、「包装」、「梱包費」、「荷役費」、「物流管理費」、そして「流通加工費」などの費用です。

輸送費

原材料を含む物品や荷物を目的地まで運ぶための費用を意味しています。しかし実際には、運賃、配送費、搬送費などを総括して「輸送費」とすることが多いかもしれません。

貿易の場合には、陸上による「輸送費(Carriage)」か、船舶・航空による「運賃(Freight)」かにより、分類されます。「配送費」も輸送費に含められますが、倉庫等に集荷する場合とは異なり、倉庫から配分する輸送コストと分けることもあります。企業の利益に大きくかかる部分ともいわれるのが、この輸送費全般でしょう。

保管費もしくは保管料

取り扱う物品の特性や契約方法により異なります。基本的には、荷物や貨物を「立米(?)」、「坪単価」、「ユニット数」、「パレット数」、「重量」や「商品数量」などで計算します。そして、物品の保管分を月ごとの3期制(1日~10日まで、11日~20日まで、21日~末日)に分割して算出し加算します。

さらに、保管場所を一括して借りる場合の「賃借料」や、物品や貨物を倉庫から搬出入する際の「入出庫量」なども含まれる場合もあります。

在庫費

「在庫費」は、物品の「購入費用」や在庫の保管にかかわる「人件費」、物品にかかわる「購入費の金利」が含まれます。また、物品を在庫するための「保管費」、物品を在庫する際にかかわる「運送費」、保管場所の「設備費」、倉庫や保管場所の「光熱費」なども関係します。さらに、在庫を処分する際の「廃棄費」が発生することもありますが、廃棄の場合には処理手数料なども加算されることが多いでしょう。

包装費または梱包費

「包装費」は、商品や物品を個装するため、板、ダンボール、紙、発泡スチロール、パッキン、荷札、紐、テープなどの費用や作業料金をまとめています。そして、包装された商品を木箱や木枠、紙箱に詰める作業が「梱包費」となります。物流過程で、包装と梱包を同時に行う場合や同じ場所、同一業者で行うときに「荷造包装費」に分類することもあります。

荷役費

倉庫から物流センター、物流センターから倉庫への、物流の入出荷などの費用が「荷役費」です。「保管費」や「在庫費」、物品等の保管場所において作業を行う場合の「梱包費」などが加算されます。また、企業(アパレル業等)によっては、倉庫や物流センターにおけるプレス加工やパッキング、ハンガーアップ作業を「荷役費」に分類していることもあります。

グローバルに物流を行う企業の場合、輸出にかかわる輸出諸経費を「荷役費」に含めます。この「輸出諸経費」は、輸出入にかかわる通関料、取扱手数料、港湾施設利用費やターミナル使用料、輸入消費税や税関に支払う関税等、ドレージ料、倉庫内作業のデバン費用、倉庫から配送先までの配達料などを含みます。そのため、輸出入にかかわる企業においては、物流の中でも輸出にかかわる費用の割合が多くを占める場合があります。

物流管理費(物流管理人件費)

「物流管理費」は、調達物流費と社内物流費に分かれます。どちらの費用でも、物流にかかわる人件費を含めて、「企業内の物流を管理する費用」に限定されるのが物流管理費です。また、一般的には、人件費は一般管理費に含められることもありますが、物流管理を専属とする人件費に関しては、分類することが必要な場合もあるでしょう。

調達物流費とは

製品原価に含められてしまうこともありますが、正式には区分されることが必要な費用とされています。そのため、材料の調達から消費まで、原材料や中間での調達にかかわる物流費を明確に区別したものを「調達物流費」とします。

社内物流費とは

物流管理費の中でも、製品物流費と同じ項目として扱われるのが「社内物流費」です。この「社内物流費」には、製品になる前の前工程や、製品化された後の運搬や諸経費などの横持費用や一時的な保管費も含められます。

流通加工費

特定の事業に発生する費用を「流通加工費」として区分します。たとえば、アパレル業界などに多い流通加工が中心となる作業です。完成した製品に対して、「値札やタグつけ」、「パッキング」、「袋詰め」、「シュリンク」、「プレス加工」、「ハンガーアップ」などの費用が、これに該当します。

また、建設業に多い組み立てを必要とする建築資材、部品の組み立てが必要な機械などのアッセンブリーやキッティングなども、流通加工費に含まれます。さらに、商品をギフトとして箱詰めしたり、さまざまな商品を組み合わせてセットにしたりという完成品にする作業も流通加工費になります。

物流コストが企業にとって重要な理由

物流の一元管理システムを担う「ロジスティクス」は、企業の物流活動のさまざまな分野を統合することができ、企業全体を最適化することが可能になるシステムです。ですから、調達のための物流や製造のための物流、また販売のために採用される物流システムであっても、すべてが管理されてロジティックスシステムを組み上げることが重要になります。

海外の他国で生産したり、材料や生産された商品を購入したりするなら、ポイントは物流になります。海外からの購入は、業務が複雑化することもありますが、最大のメリットはコストの安価な商品の調達と物流コストのコントロールにより、高い利益を生み出すということでしょう。

効率のよい輸送と適切な在庫・保管が最重要

在庫や保管されている材料や物品を理解し、運送のシステムを把握していると、それぞれの用途に応じて最適なバランスを保ち、効率のよい物流を進められます。そこで重要なポイントは、コストやスピードを考えた効率のよい輸送とともに、適切に保管された商品や在庫管理です。

輸送のポイントはコストとスピード

貿易が関係する物流の場合には、リーズナブルな価格でも時間がかかる船便と、コスト高であっても短時間で輸送できる航空便があります。また、国内の物流において、急送としてチャーター便を手配するか、混載便を使用するかの選択は物流コストの重要なポイントです。

航空便やチャーター便による輸送は、スピード感がありますが、早いといえども料金は高めです。とはいえ、リーズナブルに船便や混載便を選択しても、納期に間に合わない、到着の遅延が懸念される場合には慎重に選択する必要があります。ですから、効率のよい輸送には、「コスト」と「スピード」のバランスが欠かせません。

在庫や保管のシステムは物流費のキーマン

「在庫費」や「保管費」でもわかるように、倉庫や保管場所での物品を在庫は、物流システムに大きな影響を与えます。荷物を置くだけで費用は発生しますが、顧客とトラブルになりがちなのもこの在庫費や保管費用であるといわれています。

そのため、倉庫や保管場所の活用と無駄のない作業は、物流費のキーマンとなるため、物品や契約方法を把握しておくことがポイントです。どんなに大量に貨物や物品を扱っていても、倉庫内の移動ばかりでは、人件費や時間が無駄になります。

さらに、コストや時間を考えた効率的な物流は、顧客のニーズに応えることにもつながります。結果として、評価や利益につながるため、効率よく効果的なシステムで物品を在庫し、入出庫計画や保管に基づくロジスティクスは重要になるのです。

おわりに

さまざまな企業が物流に注目しているのは、物流が貿易と組み合わさることで、効率のよい物流管理がが加速します。そのためにも、物流にかかわるコストを理解しておくことは、重要なポイント。物流は、業種にかかわらず、効率化を図り、付加価値を生み出すことができる企業のキーマンになります。

 

タグ : 用語
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DM Watch 編集部

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ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。