在庫管理の発注方式とは?定期発注方式と定量発注方式の違いについて

2019.08.13物流記事一覧
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小売業でも製造業でも、不足した商品や材料を取引先に発注する作業が必ず発生しますが、ただ闇雲に注文すればいいというわけではありません。

在庫の残数や発注する時期、今自社に予算があるのかも考慮して発注を行うのが基本なのですが、効率良く行わないと欠品だけはなく商材が余り廃棄することになり、追加のストック場所を確保するなど余計な作業が発生する可能性があります。

商品の発注方法には大きく分けて定期発注と定量発注と呼ばれる方法が存在します。

効率の良い発注を行うため、今回はこの定期発注方式と定量発注方式について解説します。

在庫管理の発注方式とは?

どのような業種でも商品や材料を取り扱い、入出荷を毎日行うのであればストック数はデータ上でしっかりと管理されていなければなりません。

商材が足りなくなったら相手先に発注するというシンプルに思える業務ですが、在庫管理を疎かにすると機会ロスが多くなり無駄な経費がかかってしまいます。

ただ目視で商品の量を確認しただけでは他のストック場所にある同じ商品を見逃してしまったり、どのくらいの頻度で減っていくのかをきっちり把握できておらず、発注数が足りなかったり過多になることもあります。

そのような非合理な方法で発注業務をしていると、コストがかさんでしまい、赤字に転落してしまう可能性が高くなるので、しっかりと在庫管理がされている上で発注を行わなければなりません。

商品がどの場所に何点ストックされていて、いつ入出荷したのかがスタッフにデータで共有されている状態を「商品管理がされている」状態で、このデータを元に足りない商材をいつ何点発注するかを決めることで合理的な発注が可能になります。

さらに、それらの発注を効率化する主な方法として、定期発注方式と定量発注方式の2つの方式が存在するのです。

発注方式の種類

定期発注方式

定期発注方式とは、決まった日時、周期で商品や材料を発注する方法のことです。

毎月20日に1ヶ月分、毎週月曜日に1週間分など決められた期間で定期的に発注業務を行う方法です。

定量発注方式

定量発注方式とは、商品や材料が決められた数まで減った時点で発注する方法です。

期間を決めて必ず注文する定期発注方式と違い、商品の残数のみを確認して発注時期や数量を決定します。

定期定量混合方式

前述した2つの発注方式をどちらも取り入れた発注方法です。

決まった日時に一定量を発注し続けるのですが、在庫数がある一定の数を下回るとイレギュラーで発注を行います。

常に商品を一定量以上に保ち、急な需要にも対応できる発注方法です。

簡易発注方式

簡易発注方式とは、シンプルに目視で棚にある商品が少ないと判断したら、その棚を満たす量の発注を行うことです。

また簡易発注方式には同じ商品をストックする棚を2つ用意して、1棚が空になったらその1棚分の商品を発注するという「ダブルビン方式」と呼ばれる発注方法があります。

また容器の中に入っている商品が常に同じぐらいの目分量になるように発注する「定量維持方式」と呼ばれる発注方法もあり、小さなネジや部品など細かく大量にストックされており、1つ1つの数量を数えるのが難しい商品の発注に適した方法です。

不定量不定期発注方式

前述した発注時期や在庫の残数を頼りにする発注方式とは全く異なる、不定期不定量発注と呼ばれる方式も存在します。

定期的な発注では難しい減る量や期間が予想できない商品の発注に用いられます。

需要の変動が大きい商品などに用いられ、現在の在庫数を一日あたりの平均出荷数で割った「何日分の出荷に耐えられるか」という日数を算出し、発注してから納品され、ストックされて出荷がOKになるまで日数の平均と比べて耐えられる日数が下回った場合、商品が不足していると判断して発注をかける方法です。

この発注方法は高価で特別な商品、または突発的な需要があり急に無くなってしまう商品などに用いられます。

同期化発注方式

同期化発注方式とは、取引先の企業と契約し、システム共有をして毎日、または毎週など一定の期間で一定数を納品させる方法です。

商品だけでなく、製造業の材料の発注などにも同期化発注方式が使われています。

分納発注方式

分納発注方式とは、在庫数を常に監視して発注するスケジュールの計画を立て、必要数を何回かに分けて納品させる方法です。

計画的に発注しているので分納しても在庫が無くなることはなく、入荷時の負担が少なくストックしやすいメリットがあります。

この発注方法は、主に数量が多いが需要が少なく、一定量常に減っている商品などに用いられます。

定期発注方式のメリットとデメリット、算出方法とは?

定期発注方式のメリットとデメリット、算出方法について解説します。

定期発注方式のメリット

  • いつ発注すれば良いのか明確なため、発注忘れや漏れが少ない
  • 定期的に減ってしまう商品の在庫数を常に最適な数に保つことができる
  • 一定の期間で在庫数チェックを行うため、急な需要で商品が予想外に激減しても対応することができる

定期発注方式のデメリット

  • 毎回同じ時期に在庫チェックを行い、必要数を算出しなければならない

定期発注方式の算出方法

発注数 = (発注するまでの日数 + 入荷するまでの日数) × 出荷予定数 + 安全な在庫数 - 現時点の在庫数 - 現時点の発注数

定量発注方式のメリットとデメリット、算出方法とは?

定量発注方式のメリットとデメリット、算出方法について解説します。

定量発注方式のメリット

  • 必要数を発注するたびに計算する必要がない
  • 同じ量を毎回発注するため、手間がかからない

定量発注方式のデメリット

  • 売れ筋商品や季節物など需要の変動が大きいものには対応しにくい

定量発注方式の算出方法

発注数 = (1日の出荷数量 × 発注から届くまでの日数) + 安全な在庫数

定量発注方式と定期量発注方式の違いは?

定量発注
定期発注
方法 毎回同じ数 同じ期間
商品優先度 比較的低い商品 優先度高の商品
期間 不定期 定期的
発注数 毎回同数 その都度数を算出
目的 発注業務の軽減 不足や過多の防止
品目 他種類でも可 少ないほうが良い
商品の値段 比較的安い商品 高価な商品
在庫変動数 少ない 多い
入荷までの期間 短い方が理想 長くても可
メリット 発注処理の簡略化 在庫数の安定
デメリット 過不足が起こりやすい 発注数の算出が手間

おわりに

定期的な発注と定量発注を商品別に上手く使い分ければ自社の在庫管理能力は向上し、欠品や在庫過多に悩まされることは無くなるでしょう。

効率の良い発注を行うことで在庫が安定するだけではなく業務負担が減り、人件費やコストの削減に繋がります。

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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。