顧客満足度を高める梱包発送の方法とは?
2019.08.05物流記事一覧ネット通販での買い物が当たり前の世の中になった今、通販企業は商品の品揃えや品質はもちろんのこと、発送時の箱や梱包方法なども顧客のニーズを汲み取り実行することで、他社との差別化を図っています。
競合他社が少なかった時代は乱雑な梱包をして配達途中に商品を破損させてしまう通販業者もあったのですが競合他社が多くなった現在、ただ数をこなすだけの粗末な梱包では確実に顧客は離れてしまうでしょう。
競合するライバル店よりもリピーターを増やし競争に勝ち抜くために必要な顧客満足度の高い梱包方法について詳しく解説します。
目次
梱包発送が適切でない場合のデメリット
ネットショップも起動にのると中小企業でも毎日何百件もの出荷をこなさなければいけない状況になります。
忙しい出荷作業の何百件のうちの1件でも適切ではない梱包がされるとそのお客様は今後二度と自社のネットショップを使ってくれない可能性が出てくるのです。
ダンボールの中に緩衝材が詰められていなかったため箱内で商品が動いてしまい破損してしまう、またはテープ止めがしっかりされておらず箱が配送時に開いてしまい商品を落としてしまう。
このような不適切な梱包により顧客からクレームが発生してしまい、どんなに誠実なクレーム対応をとったとしてもそのお客様からの信頼を取り戻すのは難しいでしょう。
その方が自社のヘビーユーザ、つまりリピーターのお客様だったとしたら損害は計り知れないことになってしまいます。
適切なダンボールの選び方
基本ダンボールのサイズは縦、横、奥行き、の3辺の合計で大きさが決まっており、日本国内では60センチサイズから20センチサイズ刻みで160センチぐらいまでの箱が主流になっています。
各運送会社もこの箱の3辺の合計と重量で送料計算を行っており、60センチの箱であれば2kg以内、100センチの箱であれば10kg以内と言ったように運賃計算をする目安にしています。
またダンボール自体にも種類があり、厚みのある商品に適した底の深い箱、梱包作業を効率良く行える差し込み式の蓋が突いた箱、薄い商品を梱包するのに適した薄型のダンボールなど豊富なバリエーションがあります。
配送業者大手のヤマト、佐川、ゆうパックのダンボールのサイズや重さ、種類の一覧はこちらになります。
自社のネットショップでどのような大きさの商品を取り扱っているかを把握し、その商品に対しギリギリの大きさの箱ではなく多少の余裕があり、また大きすぎない箱を選んで用意するようにしましょう。
ガムテープの貼り方にも注意!
毎日手動で大量の荷物を梱包していて徐々に慣れてくるとガムテームの貼り方が雑になってしまいクレームに繋がる恐れがあるため注意しましょう。
まずはダンボールの下側を閉じて箱を作るのですが、その際の箱の閉じ方、ガムテープの貼り方にも、「縦貼り」、「H貼り」、「十字貼り」があります。
軽い商品に適している縦貼り
ダンボール箱の蓋を閉じたところ一箇所をテープで縦に閉じる方法を「縦貼り」と読んでいます。
ダンボールが開く一箇所のみを止めているため他の貼り方に比べると強度は最も弱く、重い商品を梱包したとき剥がれて箱が開き、底が抜けてしまう、という恐れもあります。
しかしながら他の貼り方に比べるとテープ使用量が最も少なく経費削減に役立ち、さらに箱上部も縦貼りで閉じられているとお客様にとっても開きやすいというメリットがあります。
毎日何百件もの出荷梱包を行う通販業なのでテープの使用量は経費に大きく関わってくるため強度は低いですが、軽い商品などには縦貼りの梱包方法を取り入れている業者が多いのです。
強度があり水が入りにくいH貼り
「H貼り」はその名の通りアルファベットのHの形に3箇所テープを貼る梱包方法で、縦張りに加えて両サイドをテープ止めしている梱包方法です。
両サイドもテープ止めすることでダンボールに隙間がなくなるため縦張りよりも強度が増すとともに隙間が無くなるため水や埃が入りにくくなります。
ダンボールの梱包方法としては最も一般的であると言えます。
重い商品に適した十字貼り
「十字貼り」縦張に加え箱の中央を横向きテープを貼る梱包方法で、箱の開く部分の中心を補強するため箱が開きにくくなります。
箱が開きにくくなるため重い商品を梱包するときの底側の補強に優れており、箱の両サイドをテープ止めしたH貼りにさらに十字貼りを加えることでかなり重い商品でも安定して梱包することができます。
毎日大量の梱包するためテープの経費を節約することはとても重要なのですが、底抜けで商品を破損させてしまう事故などが起こると顧客の信用を損ねてしまうため、商品の重量やサイズを考え余裕のある強度の梱包方法を選択するようにしましょう。
緩衝材にもこだわり発送物を守る
商品梱包時にただ商品だけをダンボールに入れて発送すると必ず運送時にダンボールの中で商品が動き破損したりダンボールを突き破ったりしてしまいます。
商品をしっかり固定して傷つきを防ぐためダンボール内に入れる緩衝材の種類にも注意する必要があります。
主な緩衝材として通販業者で使われている物には「気泡緩衝材」、「発泡スチロール」、「エアークッション」、「紙製緩衝材」などがあります。
気泡緩衝材はいわゆる「プチプチ」と呼ばれているビニール製の細かい気泡が並んだシートで最もポピュラーな緩衝材であると言えます。
ビニール製なので水にも強く、気泡がクッションになり衝撃にも強いため、ほとんどの商品に適していると言えます。
また発泡スチロールは柔軟性が無いものの商品をしっかりと固定してくれるため、パソコンや家電などの精密機器の梱包に適しています。
そして新聞紙やダンボールなどの紙製緩衝材は気泡緩衝材に近く柔軟性があり、さらに再生紙が使われることが多いのでコストを抑えられるというメリットがあります。
一般的な緩衝材の種類や適した商品の詳細はこちらのページを御覧ください。
商品を詰め込む際のポイント
隙間なく詰め込む
ダンボール内に商品を入れた後、傷や破損防止のため緩衝材も同梱するのですが、その際箱に隙間なく詰め込む事が大切です。いくら気泡緩衝材で商品を包んでも箱内で隙間があると運搬時に商品が暴れてしまい破損する恐れがあります。
また商品が動くことで箱が開いてしまい中身が落ちてしまうという事故も発生しやすくなります。
重い商品は箱の下側に入れる
複数商品を同梱する場合は必ず重い商品を下、軽い商品が上に来るように梱包しましょう。
商品が箱内で潰されてしまい破損するという事故を防ぐことができます。
1箱が重くなりすぎないように注意する
大量の商品を1つの箱に梱包する際、一人で運搬できないほど重くなってしまうようであれば個口を分けて複数の箱に振り分けるようにしましょう。
1箱が重すぎると底が抜けて商品を落としてしまったりやダンボール内で商品が潰れてしまう事故が発生しやすくなってしまいます。
製品別で抑えておきたい梱包のポイント
食器類などの割れ物
新聞紙やダンボール、気泡緩衝材などで商品を1点1点包み、蓋なども別で1つずつ梱包して商品同士が直接ぶつからないようにします。
さらにダンボールの中にも商品が動かなくなる量の緩衝材を敷き詰めて、グラスなどは寝かさず立てて箱に詰めていき、その上からまた緩衝材を詰め込んで蓋を閉じます。
化粧品類
中身が液体の化粧品類などは緩衝材で梱包することはもちろんですが、万が一の事故に備えて液漏れを防止するためにビニール袋などを使って包むことが重要です。
また、箱内で商品を寝かさず立てて梱包することで液漏れの事故を起こりにくくすることができます。
精密機器
商品が梱包されている専用箱に入っているため一見安全そうに見える精密機器ですが、は装用の箱の中に緩衝材を入れないと箱の中で動いてしまい、運搬時に他の箱とぶつかった時に壊れてしまう危険性があります。
商品ケースに入っている精密機器をダンボールに入れるときには上下と周りに十分な緩衝材を詰めて衝撃による破損を起こさないように注意しましょう。
おわりに
化粧品や食料品を発送するときには「コールドチェーン」と呼ばれる温度管理が可能な物流方法を選択しましょう。
低温保存された商品が、出荷時にも冷蔵、冷凍トラックにて運搬され、宅配時にもクール便などを使用して配達されるまでのすべての段階で温度管理された物流方法で発送し、到着まで商品の鮮度を保つことでお客様の信頼を得ることができます。
一般の出荷よりも送料が割高になりますが、化粧品や生鮮食料品など、通常の商品よりも鮮度や安全性が求められる商品には不可欠な発送方法になります。
コールドチェーン配送に関しての詳細はこちらのページをご覧ください。
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DM Watch 編集部

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