在庫回転率と在庫回転期間とは?簡単に計算する方法について

2019.07.18物流記事一覧
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皆さんは「在庫回転率」と「在庫回転期間」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

「在庫」という言葉が示すように、主に生産や小売、物流の現場などで使われたり、さらには経営でも重要視される用語・指数です。

そこで今回は、「在庫回転率」と「在庫回転期間」の違いや計算方法についてご紹介していきます。

在庫回転率と在庫回転期間とは?

まず、「在庫回転率」と「在庫回転期間」とはどういう数値なのでしょうか。それぞれご説明していきたいと思います。

在庫回転率とは?

「在庫回転率」とは、一定期間内に在庫がはける回数を表し、在庫が何回入れ替わっているかをチェックするための指標です。

在庫回転率が高い = 在庫の入れ替わりが早い
在庫回転率が低い = 在庫として倉庫に長く滞留している

また会計的には、在庫になっている商品を「棚卸資産」といい、その合計金額と、販売された商品の原価金額を比較することによって、在庫商品が何回転したかを示すことが出来ます。

そのため、「棚卸資産回転率」ということもあります。

在庫回転期間とは?

「在庫回転期間」とは、商品が入ってきてから出ていくまでにかかる期間のことを指します。

在庫回転期間が短い = 商品が入ってきてから出ていくまでのスピードが早い
在庫回転期間が長い = 商品が入ってきてから出ていくまでのスピードが遅い

また会計的には、とある期間で在庫になっている商品を金額に直した「棚卸資産」と売上原価を比較することで計算できるため、「棚卸資産回転期間」と呼ぶこともあります。

在庫回転率と在庫回転期間を把握するメリット

「在庫回転率」と「在庫回転期間」について分かったところで、これらを把握しておくとどのようなメリットがあるのでしょうか?

前述の通り「在庫回転率」は一定期間で何回在庫が入れ替わったのか把握することが出来ます。在庫がはける回数が多いほど、商品が売上に変わりやすいということになります。逆に在庫回転率が低ければ、なかなか仕入れた商品が売り上げに変わらず、キャッシュフローが厳しくなります。

このように「在庫回転率」は、経営の観点でキャッシュフローを良くするための指標としてもよく用いられます。

また、「在庫回転率」は、生産部門でも活用することが出来ます。在庫回転率が高ければ高いほど、商品が倉庫に滞留する時間が短くなります。

例えば、在庫回転率 = 0.08の場合、一年を単位として計算すると、1年で12回商品が入れ替わることになります。つまり、1カ月で商品がはけていきます。そうしたときに、顧客の要望リードタイムが1か月以上の場合、商品を在庫としてもっておかずとも、受注後に生産しても間に合うことになります。

つまり、受注生産が出来るため、余分な在庫を抱えなくて済みます。「在庫回転期間」を見ることで、何日分・何か月分の在庫を抱えているかを把握することが出来ます。

また、在庫をすべて消費するまでにかかる期間でもあります。

つまり、在庫回転期間が3カ月であれば、新たに仕入れなくても3か月は販売を続けることが出来るということです。しかし、言い換えると3か月経たないとすべてが売り上げに変わらないということになります。例えばAという商品の在庫回転期間が1か月、Bという商品の在庫回転期間が3か月だとすると、商品Aは商品Bの3倍売れているということになります。

このように、在庫回転期間を商品別にみることで、売れ筋の商品や死に筋(売れない)の商品を見極めることが可能になるのです。

在庫回転率の計算方法

さて、では在庫回転率はどのように計算するのでしょう。

在庫回転率は、以下の式で求めることが出来ます。

在庫回転率 = 売上原価 ÷ 棚卸資産

各項目を順にみていきましょう。

「売上原価」とは、仕入値のことです。

例えば、100円のペンをメーカーから買って、消費者に200円で売ったとします。このとき、下記のようになります。

100円 = 仕入値 = 売上原価
200円 = 売上高

そして「棚卸資産」とは、在庫になっている商品の価値を金額に変えたものです。

「在庫回転率」はこれらの項目を使って計算していきます。これだけでは、分かりづらいと思うので、具体例を見ていきましょう。

ある文房具屋で、100円でペンを仕入れて、200円で売ったとしましょう。ペンは仕入て1か月後に1本売れていきました。売れた直後に1本追加で仕入れたら、また1か月で売れました。これと同じペースで1年販売したとします。

すると、1年の売上は下記になります。

200円 × 12か月 = 2,400円

売上原価で見ると下記になります。

100円 × 12か月 = 1,200円

そして、1年を平均して在庫になっているペンは1本です。つまり、棚卸資産は100円です。

すると、在庫回転率はいかになります。

在庫回転率 = 1200円 ÷ 100円 = 12

この数字を見れば、1年間でペンは12回転したんだな。とすぐに判断することが出来るのです。

在庫回転期間の計算方法

次は在庫回転期間です。

在庫回転期間は以下の式で求めることが出来ます。

在庫回転期間 = 棚卸資産 ÷ 売上原価

気づいた方がいると思いますが、在庫回転期間の計算方法は、在庫回転率の分子と分母を逆にしたもの、つまり逆数になります。

先程と同様の例でご紹介すると、現在文房具屋で持っている在庫は100円で仕入れたペン1本だけだったとします。そして、1年で売れたペンの売上原価は1200円だったとします。

すると、在庫回転期間は、下記になります。

100円 ÷ 1200円 = 0.083

つまり、1つの商品が売れるのに0.08年 = 約1か月かかると分かるのです。

計算する際の注意点

これらを計算する際は、「売上高」ではなく「売上原価」を使った方がより正確な数字を求めることが出来ます。これは、棚卸資産が原価のため、分母や分子に来る項目も原価で合わせた方がより正確になるためです。

また、本来であれば金額で求める「在庫回転率」や「在庫回転期間」ですが、例えば物流現場などではピンとこなかったり、算出が難しいかもしれません。

そういうときは、在庫数を用いて計算することも出来ます。

在庫回転率 = 出庫量 ÷ 平均在庫数

例えば、年間を通じて平均200個/月、商品が出庫していくとします。そして、定期的に商品を仕入れていますが毎月月末に在庫数を調べると、約100個残っているとします。

すると、在庫回転率は2と算出することが出来ます。

在庫回転率 = 200個 ÷ 100個 = 2

このように、使用する場面に応じて計算方法を変えることも重要です。

おわりに

「在庫回転率」と「在庫回転期間」は企業のキャッシュフローや生産を管理するうえで、非常に重要な数字です。

これらをしっかりと把握することで、無駄な在庫をかかえないなどの改善をすることが可能になります。

計算式をしっかりと覚えて、経営や現場の改善に活用していきましょう。

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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。