【例文・デザイン例あり!】通信販売(EC)業界での効果的なDM作成方法

2019.10.28DMの企画・デザイン・印刷記事一覧
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顧客と直接対面することのない通販・ECにとって、ダイレクトメール(以下:DM)はプロモーションやマーケティングに欠かせないツール。その重要性は単品通販(リピート通販)でも総合通販(カタログ通販)でも変わりません。とはいえ、「実施しているけれどレスポンスが悪い」「制作のコツがわからない」とお困りの方もいるでしょう。

そこでこの記事では、通販・ECのDM施策や制作に役立つ効果的なノウハウを集めました。挨拶文の文例やデザイン例などのクリエイティブ関連から、発送タイミングまで、顧客セグメント別に他社事例もまじえてご紹介します。定期引き上げからリピート促進、休眠掘り起こしまで、目的にあわせてフル活用してください。

なお、化粧品とアパレルの通販・ECのDMノウハウについてはこちらの記事でも触れています。

通販・ECのDM成功のためのポイント

顧客視点を徹底する

顧客支店を徹底する

「顧客視点」はいまやビジネスでは当たり前に使われている言葉ですが、DMではまだまだ「売り手目線」のクリエイティブを多く目にします。しかし、ゴリゴリの押し売り営業マンが好かれることはないように、“紙のセールスマン”であるDMも、売り手の一方的な内容では反響は期待できません。

デザイン面でいえば、顧客にシニア層が多ければフォントサイズを大きくするというのは当然のこと。意外と見落としがちなのが細かい文章表現です。とくに多いのが、どことなく偉そうな言葉遣い。ある大手の通販会社では、とにかく「上から目線」の印象をあたえないように、「注文書」ではなく「お申込書」、「顧客」を「個客」と表記するほどこだわっているそうです。

一見些細なことにみえますが、こうした小さな積み重ねが大きく反響に影響します。自分たちで判断がむずかしい場合は、ターゲットの属性に近い人に読んでもらい、違和感がないかチェックしてもらうのもオススメです。

パーソナライズを意識する

パーソナライズを意識

パーソナライズとは「一人ひとりに向けてカスタマイズする」といった意味の言葉です。最近、上の例のような、AI技術を活用して個別に商品を提案する「パーソナライズDM」と呼ばれるDMが一部で話題なので、ご存じの方も多いかもしれません。「DM Watch」でも、こちらの記事で詳しく紹介しています。

顧客がDMを自分事化して読んでくれるのがパーソナライズDMのメリット。とはいえ、わざわざAIを駆使しなくても、次のような工夫をすれば、パーソナライズ感=顧客が「私一人に向けて送られてきた」と感じるようなDMを作ることは可能です。

  • 「お客様へ」ではなく「〇〇をご購入いただいたあなた様へ」にする
  • バリアブル印刷で宛名以外にも顧客の氏名を入れる
  • 顧客の悩みに寄り添った文章(コピー)を書く

2つ目のバリアブル印刷とは、一部ずつDMの内容を差し替えて印刷できる技術のこと。例えば、通常は「お客様へ」と書かれている箇所を、「〇〇様へ」というように宛名にあわせて変えることができます。バリアブル印刷については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

顧客の悩みに寄り添った文章の書き方については、下の「見込み顧客宛てDMのポイント」で紹介しています。

「人」を出す

人を出す

いまやどのジャンルも市場は飽和状態。商品スペックのアピールだけでは、なかなか差別化できません。そこでオススメなのが「人」を前面に出すこと。とくに顧客と直接対面することがほとんどない通販・ECにおいては、それだけで強力な武器になります。

DMで「人」を出すメリットは次の3つ。

  • 顧客が安心して購入できる
  • 注目度が高まる
  • ファンづくりにつながる

最近スーパーの食品売り場で生産者の顔写真が貼ってあるのを見かけることが増えましたが、一つ目は同じ原理です。食品でなくても、どんな人が作っているのか、販売しているのか、ということがわかると買う側の安心感につながります。

また、人の脳には顔写真があると無意識のうちに注目してしまうという働きがあり、単純に手に取って読んでもらいやすいというメリットもあります。

人は「対企業」よりも、「対人」に親しみを感じやすいもの。顔を見せるだけでなく、人柄や商品に対する想いまで伝えることができれば、顧客の共感を呼んで「ファンづくり」につながる可能性も高まります。ちなみに「人」は、経営者でもスタッフでもかまいません。ある総合通販企業では、商品ではなくバイヤーを前面に出したニュースペーパーを発行し、ロイヤル顧客への移行率が前年比144%アップした事例もあります。

単品通販・総合通販問わず、売上のキモであり、かつ大きな難関でもあるのが、サンプルや入口商品購入者の定期コースへの引き上げ/F2転換(2回目購入促進)。ここでは、そのフォロー施策で重要な役割をになう見込み顧客宛てフォローDMのポイントを3つ紹介します。

なお、フォローDM同様に重要な初回商品同梱物については、こちらの記事で徹底解説しています。

挨拶文の主語を顧客に

DMで最初に目を通す挨拶文は、企業の印象を左右する重要な要素。とくに、まだ関係性の薄い見込み客顧客向けならなおさらです。ビジネスライクな文章が続くと「冷たそうな会社だな」と思われますし、商品のアピールばかりだと「売り込みが強い会社」というイメージがついてしまい、良好な関係構築が期待できません。

挨拶文で有効なのが、顧客視点に立った、顧客に寄り添った文章です。ポイントは主語を「売り手=私」ではなく、「顧客=あなた」にすること。とくにサプリメントなど、お悩み解決型商品の挨拶文に効果的です。

主語が「売り手=私」の文章例

先日お届けした〇〇は、××年の歴史をもつ弊社の技術を集結させた商品です。(私たちは)成分に世界でも希少な△△をたっぷりと配合。(私たちは)全国◎万人のお客様から「続けて良かった」という喜びのお声をいただいています。

主語が「顧客=あなた」の文章例

お試し商品をお届けして約1週間。(あなたは)その後、調子はいかがでしょうか?
そのお悩み、(あなたは)とてもつらいですよね。でも、もう大丈夫。(あなたは)この商品を続けていただくことで〇〇な未来が訪れるはずです。

上の2つの例を比べると、下の「顧客=あなた」を主語にした文章のほうが、「読み手との距離が近い」印象を受けるかと思います。DMの挨拶文の書き方はこちらでも詳しく解説していまので、ぜひ参考にしてください。

顧客の後悔・不安を先回して取り除く

顧客の後悔・不安を取り除く

人は買い物をしたあと、大なり小なり後悔の念を抱くと言われています。マーケティングでは「バイヤーズリモース(購入者の後悔)」とも呼ばれていますが、誰しも「他の商品を選んだほうが良かったかな…」「買ったのは間違いだったかな…」という感情に身に覚えがあるのではないでしょうか。

また、サプリメントなどのお悩み解決型商品を購入した顧客は、それに加えて「効果不安」(「私に効果あるかな…」)、「必要不安」(「本当に必要かな…」)、「継続不安」(「続けて使う価値はあるかな…」)といった3つの不安を抱えているといわれています。

言うまでもなく、こうした後悔や不安は離脱(離反)の要因になります。そして、これらのネガティブな感情を先回りして払拭していくことも見込み顧客向けDMの重要な役割です。効果的なのは次の3つのコンテンツです。

  • Q&Aコーナー
  • 客観的なデータ
  • 愛用者体験談

Q&Aコーナーでは、実際にコールセンターなどへの問い合わせや、離脱の理由として多い悩みに答えておくと良いでしょう。客観的なデータとは、信頼性のある調査結果や科学的な試験結果のこと。商品スペックのアピールになるものももちろんですが、商品の必要性が伝わるもの(例:「加齢とともに体内で減少する〇〇成分」⇒だからサプリメントで摂取が必要)があればベストです。

愛用者体験談も同様。ただ「(商品を)気に入っています!」というだけのものより、「最初は心配だったけれど徐々に変化が…」「〇〇に悩んでいる私に必要な商品」「定期コースで続けています」といった、顧客の3つの不安を払拭できるような内容を選ぶと効果的です。

「お客様のお声」の効果的な載せ方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

定期コース引き上げ/F2転換プログラムを設計する

 

F2転換プログラムを設計

どんなに素晴らしいクリエイティブのDMでも、一度送っただけで成果が出るほどフォロー施策は甘くありません。多くの通販会社では上の例のように内容や発送タイミングを分けて、数回送るのが普通です。このような一連のフローを「定期コース引き上げプログラム」または「F2転換プログラム」「フォロープログラム」と呼びます。(実際はDMだけでなくTELやメール、最近ではLINEなども活用されていますが、ここでは説明を簡略化するためにDMに絞っています)

プログラムの設計でポイントとなるのが顧客の商品購入後の心理。上の例をご覧いただくと、先ほど挙げたバイヤーズリモースと3つの不安を時系列に沿って並べ、それらを一つずつ取り除いていくようにDMを届けているのがわかるかと思います。

もちろん顧客心理はあくまで仮説であり、上の発送タイミングや回数も正解というわけではありません。プログラムを成功させるコツはただ一つ、検証改善を繰り返すこと。プログラム終了時点とそれぞれの発送タイミングでの引き上げ率やF2転換率を測定し、DM内容・発送回数・タイミングの3点を改善しながら精度を高めていく必要があります。

通販・ECの優良顧客は、単品通販なら定期コース顧客、総合通販なら購入金額の多い顧客を指すことが一般的です。優良顧客向けDMの目的は,顧客ロイヤルティの向上とLTV(顧客生涯価値)最大化。そのために必要な3つのポイントを紹介します。

コミュニケーションを図る

コミュニケーションを図る

CRM(=Customer Relationship Management:顧客関係管理)という言葉もありますが、顧客ロイヤルティ向上のためには顧客とコミュニケーションを図り、関係性を深めていくことが重要です。そしてそのための最適なツールが会報誌(ニュースレター)です。

効果的な会報誌を作るポイントは次の3つ。

  • 人、会社を前面に出す
  • 顧客の生活に役立つ情報を伝える
  • 顧客参加型のコンテンツを設ける

なんといっても肝心なのが「人」を前面に出すこと。自己紹介はもちろん、オススメレシピや好きな映画など、趣味を全開にしたコーナーを設けても良いでしょう。ある通販会社では、会報誌に載ったスタッフ宛てに顧客から「お話ししたい!」と電話がかかってくることもあるそうですが、それくらい人柄と魅力が伝わるとベストです。

顧客の生活に役立つ情報は顧客属性によって異なりますが、シニア層なら健康に関するもの、若年層ならエンタメ関連が人気。女性が多いなら美容・ファッション系はマストです。

顧客参加型のコンテンツも必須。クイズコーナーやアンケートは定番ですが、イラストや川柳、写真など、顧客の趣味の作品を募集すると盛り上がること間違いなし。自分の作品が掲載されるかも知れないとなれば、商品だけでなく、会報誌を読むこともリピートのモチベーションになります。

なかには雑誌のような立派な会報誌を発行している企業もありますが、体裁にこだわる必要はありません。A4サイズ1枚でも、手書きの文字やイラストでも十分です。大切なのは楽しんで作ること、そして継続して届けること。時間はかかるかもしれませんが、必ず顧客との距離が縮まるはずです。

特別感を演出する(例:お客様との記念日DM)

特別感を演出

人は自分のことを大切に思ってくれている人に対しては好感を抱くもの。マーケティングでも同様に、顧客に「自分を大切に思ってもらえている」と感じてもらえると、続けて選ばれやすくなります。

一般的な手法としては誕生日DMやロイヤル顧客限定プレゼントなどがありますが、それよりも効果が期待できるのが、上のような「お客様との記念日DM」。顧客1人ひとりの初回購入日を勝手に記念日にして、ご縁の感謝を伝えるDMです。

クリエイティブのポイントは「サプライズ感」と「あなただけ感」を演出すること。結婚記念日のような企画なので、身近な大切な人をイメージして考えると良いかもしれません。

クロスセルDMで顧客単価アップをねらう(例:年賀DM)

クロスセルDM

クロスセル(併売)DMはLTVアップに欠かせない施策であり、優良顧客に有効な販促手法でもありますが、突然DMを送ってもあまり効果は期待できません。また、商品種類が多いからといって何でもかんでも併売をすすめていると、押し売りの印象をあたえてしまうこともあります。

クロスセルDMの成功率を上げるには次の3つの方法あります。

  • 会報誌で刷り込み&ニーズ喚起
  • 購入データを分析してターゲットを抽出
  • お祝い事とからめる

新商品のクロスセルをねらうときに便利なのが会報誌です。役割は商品の刷り込みとニーズ喚起。事前に開発ストーリーやモニターレポートを数回にわたって掲載し、徐々に顧客の期待を上げていけるとベストです。

2つ目の購入データとは、「商品Aを購入した顧客は、その後商品Bを購入する傾向がある」というようなデータのこと。高反響が見込める顧客にターゲットを絞ってDMを送ることで、費用対効果を抑えることもできます。

お祝い事とはお正月や成人の日、入学式や卒業式などを指します。お祝いムードのときにはお財布のひももゆるみがちになるもの。上のイラストは、そんな心理を利用してまとめ買いをねらった某通販会社の年賀DMです(デザインは実物と異なります)。開封率を上げるためのおみくじもグッドアイデアですが、特筆すべきはサイズ。実はこのDM、届いた時点ではA4サイズ程度の大きさなのですが、中のチラシがどんどん広げられるようになっていて、最後はなんと新聞紙両面くらいの大きさにまで展開するのです。なんというかこう、見ているだけでパーッとやりたくなるような、見事なクリエイティブといえます。

休眠顧客宛てDMのポイント

通販・ECはいまや国内で数少ない成長市場。その分、参入企業も後を絶たず、新規顧客獲得単価(CPA)は高騰傾向が続いています。そのような中、多くの企業が注力しはじめているのが休眠顧客の掘り起し(再活性)施策です。

休眠顧客の定義は企業によってまちまちですが、単品通販の場合は最終購入日から6ヵ月、または12ヵ月間アクションのない顧客とするのが一般的です。アプローチのタイミングも様々で、早期の掘り起しを目的に休眠に移行した段階から3ヵ月間毎月DMを送るという企業もあれば、商品のニーズが高まるシーズンやお正月など、購買意欲が高まるポイントをねらって年数回実施する企業もあります。

休眠顧客宛てDMを成功させるポイントを3つ紹介します。

確度の高い顧客セグメントにアプローチする

確度の高い顧客にアプローチ

一般に休眠掘り起こしは新規顧客より獲得単価が低いといわれていますが、それも適切にターゲットを絞り込んでこそ。新規獲得時に広告媒体を精査するように、休眠掘り起こしの際も高いレスポンスが期待できる顧客にしぼってアプローチすることが大切です。

通常反響が良いとされているのは元ロイヤル顧客⇒リピート顧客の順。それも最終購入日からの期間が短いほど確度が高いといわれています。とはいえ、これはあくまで一般例。過去に自社で実施したデータがあるなら、その結果を分析し、自社独自のターゲットを見極めると良いでしょう。

なぜDMを送ったのか理由を伝える(挨拶文例文あり)

 
以前とは比べようのないほど競合も情報も増えた現在、たとえ元・優良顧客でも、時間がたてば商品のことも企業のことも完全に記憶の彼方へ消え去っている可能性があります。そんな状況で突然DMを送っても、最悪の場合「知らない会社から押し売りのDMが来た!」という印象をあたえかねません。そうした事態を防ぐためにも、以前商品を買っていただいていたこと、そして「なぜ今回DMを送ったのか」という理由を伝えることが大切です。

理由の内容は「新商品の魅力を伝えたくて」でも「誕生日なので」でもかまいませんが、重要なのが説得力。できれば下の例文のように、「想い」も伝えることができるとベストです。

休眠顧客宛てDM挨拶文例

かつてご縁をいただいたあなた様へ
特別にお伝えしたいことがございます。

大変ご無沙汰しております。
今年の夏は例年になく厳しい暑さが続いておりますが、お変わりはございませんでしょうか。

この度、以前ご愛飲いただいていた「×××」に新成分が加わり、今まで以上に健康をサポートできる商品にパワーアップしたことをどうしてもお伝えしたくなり、お手紙を送らせていただきました。

(成分説明)

スポーツに芸術にと、楽しみいっぱいの秋はもうすぐ。
今回、お得に始めていただけるキャンペーンのご案内も同封しておりますので、ぜひ活動的な毎日に、新しくなった「×××」をお役立てください。

スタッフ一同、またあなた様の健康のお役に立てることを願っております。

アクティブ顧客に復帰した「お客様のお声」を掲載する

 

お客様のお声

DMの鉄板コンテンツである「お客様のお声」(体験談)は、もちろん休眠向けDMでも有効です。なかでも効果的なのが、ターゲットと同じく一度は休眠になったものの、現在はアクティブ顧客に復帰している顧客の声。「いろいろ試したけれど、やっぱり〇〇の商品が一番でした!」「一度止めてから△△の良さを実感しました」といった内容で、「そうかもしれない…」と顧客の共感を誘うことができれば成功です。

おわりに

少し前、マーケティング関係の雑誌で「デジタルだけでは限界がある。これからはDMが重要だ!」と、ある企業の通販担当者が語っている記事を目にしましたが、正直「は?何をいまさら…」と思ってしまいました(口が悪くてすみません)。

なぜなら、成功している通販・EC企業は、必ずといっていいほど「アナログの温もり」を大切にしていることを知っているからです。

もちろんDMだけに限りません。商品に毎回折り鶴を同封する、顧客からの手紙には必ず手書きで返事を書く、感謝の気持ちを伝えるイベントを開催する…方法はさまざまですが、こうした手間こそが信頼を生み、顧客と深く長い関係を築けるのだと思います。

この記事が、あなたの会社と顧客の絆を深めるきっかけになれるとうれしいです。

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DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。