正しい封筒の閉じ方・マナーと〆の書き方

2019.11.25DMの企画・デザイン・印刷記事一覧
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取引先宛てのビジネス文書、とくに重要書類や社交・儀礼文書は、相手に礼を尽くす意味でも封書で送るのが一般的です。ところが、たまに封筒の閉じ方や封字の書き方のマナーに反した封書を目にすることがあります。細かすぎる、と思われるかもしれませんが、各社きちんとした封筒で届くなかで、悪い意味で目立ってしまうのも事実です。
この記事では、正しい封筒の閉じ方と封字のルールやマナーを、イラスト付きでわかりやすく解説しています。社内での封緘(ふうかん)作業を効率的におこなうコツもご紹介していますので、ぜひ日々のお仕事に活用してください。

※宛名・差出人名の書き方にも不安のある方は、封筒を閉じる前にこちらをご覧ください。

要注意!封筒の閉じ方・封字のよくある間違い例3選

まずは、間違いやすい封緘のマナーを3つご紹介します。

間違い例1:セロハンテープで封をしている

 
ビジネスではセロハンテープで封をすることはマナー違反とされています。とくに目上の人宛ての手紙や重要書類、儀礼文書では厳禁です。理由ははがしやすく、また一旦はがしても簡単に封をしなおせること。つまり第三者に読まれても判別しづらいからです。さらに見た目もチープで印象が良くありません。

多少面倒ではありますが、封筒は糊(以下:のり)で閉じるのがビジネスマナーです。まれに、封入物が多くて封筒がパンパンになってしまう場合にセロハンテープで閉じることがありますが、その場合ものり付けは必須です。ちなみに、同じテープ類でも外から見えない両面テープならOKです。

間違った封筒の閉じ方

間違い例2:封字が「×(バツ)」、または「〆」が「×」に見える

封字の「〆」を「×(バツ)」と堂々と書いている封書がありますが、間違いです。「〆」は「締」の略字で、「封筒を締めました」という意味。バツやペケとは何の関係もありません。

また、「〆」を急いで雑に書くと、その気はなくても「×」に見えてしまうことがあります。ポイントは一画目の斜線の下をはっきり<はねる>こと。カタカナの「メ」のように<はらう>と「×」に見えるので注意しましょう。

封字の間違い

間違い例3:横書きの洋封筒に封字を書いている

横書きの洋封筒の場合は、英文手紙のマナーに準じるため「〆」など日本語の封字は不要です。下のイラスト(右)のように、封じ目は空白で問題ありません。イベントや式典の案内状などでは、デザインに応じて封緘シールや封蝋(シーリングワックス)が使われることもあります。

洋封筒に封字

封筒の閉じ方(封緘)のコツ

封緘の基本マナーは「のりで丁寧に閉じること」ですが、ここでは応用編として、のりの選び方やスピーディーにのり付けするコツなど、実際の封緘作業の効率化に役立つコツをご紹介します。

コツ1:液体のりとスティックのりの使い分け方

のりの代表的な種類といえば、液状の液体のり(液状のり)と固形のスティックのり。ちなみにインターネットで「封緘 のり」と検索すると、なぜか全力で液体のりをすすめてくるサイトが目につきますが、実際はどちらも使えます。ただし、それぞれの特徴によって最適な封筒が異なります。

のりの使い分け方

液体のりは粘着性が高い一方で、塗布部分がフニャフニャと波打ちしやすいというデメリットがあります。そのため、上質紙などの強度が低い紙の封筒や、デザイン性の高い封筒は避けたほうがベター。茶封筒など強度の高いクラフト紙を使った封筒に適しています。最近はシワになりづらいタイプも販売されているので、そちらもおすすめです。

反対に、操作性の高いスティックのりは粘着力の弱さがデメリット。使用する際は、粘着力の高い強力接着タイプを使い、送付前に接着面をきちんと確認することが大切です。

コツ2:大量の封筒を効率良くのり付けする方法

少人数で大量の封緘作業をおこなう場合、封筒を一枚ずつ手元に置いてのり付けしていると非常に時間がかかってしまいます。そのようなときにおすすめなのが、下の<手動連続のり付け>です。

大量の封筒を効率良くのり付けする方法

封筒以外に用意するのは、のりと裏紙などの不要になった紙。まずは、のりが机に付かないように紙を敷き、その上に封筒を5枚程度、ふたを開けた状態で重ねていきます。

並べ終わったら、あとはスピーディー&リズミカルにのりを塗っていくだけです。ポイントは、できるかぎり<フタの上部>に塗布していくこと。多少手元がくるっても、他の封筒のフタにはみだすだけなのでミスを心配する必要がありません。

コツ3:口のり加工した封筒を効率的にのり付けする方法

のり付け不要の、閉じ口に水のりで口のり加工された封筒を効率良く封緘する方法です。

口のり加工した封筒を効率的にのり付けする方法

基本的なやり方はコツ2と同じですが、できるだけ口のり部分が密接に並ぶように封筒を重ねることがポイントです。フタの他の部分を水で濡らしてしまう心配がなくなります。

ただし、これはコツ2も同じですが、スピーディーに作業が進むからといって、決して「雑でも良い」というわけではありません。封緘の基本はあくまで「丁寧さ」。受け取る相手のことを考えて、心を込めて作業することが大切です。

封字の書き方のマナーと注意点

封を閉じたら、続いて封じ目に封字を書きます。ここでは、送付する手紙の目的に合わせた封字の種類や書き方、また封字以外の封じ目についてご紹介します。

封字を書く理由とは?

封字は、先方に対して「確かに封をしました」ということを示すために書きます。途中で開封されていない=第三者に読まれていないことの証明にもなるので、ビジネスにおいては重要な書類ほど必須です。

封字の種類とそれぞれの意味

代表的な封字は次の5種類です。

封字 意味
「〆」「締」 もっともポピュラーな封字です。
「〆」は「締」の略字です。
「封」 こちらも一般的ですが、
「〆」「締」よりもあらたまった印象を与えます。
「緘(かん)」 重々しい印象があり、とくに重要な書類で使われています。
「閉じる」という意味です。
「寿」 結婚などの慶事では「締める」「封じる」は相応しくないため、
「寿」を使用します。

ややこしいのは「〆」と「封」「緘」の使い分けですが、事務的な文書であれば「〆」で問題ありません。「封」は明らかに目上の方に宛てた手紙で使うとよいでしょう。「緘」は手書きで書かれることは滅多になく、印鑑(封緘印)を使うのが普通です。ちなみに、外国の方には「〆」が「×(バツ印)」やキスマークに見えるのでタブーとされています。
なお、上述のとおり、横書きの洋封筒には封字は不要ですが、縦書きの場合は記入するのがマナーなので注意しましょう。

儀礼文書の封字の注意点

事務的な文書以外の、儀礼文書で使う封字にもいくつか注意点があります。ここでは慶事・弔事の手紙について説明します。

儀礼文書の封字の注意点

慶事の手紙(祝賀状・結婚祝いなど)の封字

「寿」は結婚のお祝いの手紙に使うものというイメージがありますが、取引先の事務所移転や新店舗オープンを祝って送る祝賀状、昇進祝いにも使います。手書きする場合は、他の文字にかからないように気をつけましょう。扇子型や金色で書かれた封緘シールもよく使われています。

弔事の手紙(お悔み状など葬礼関係の文書)の封字

法事の案内や、通夜や葬儀に出席できない場合に送るお悔み状の封字には「封」を使うのがならわしです。弔事の手紙には他にも、上のイラストのように「左閉じ」にする、不幸が重なることを避けるという意味で二重封筒を使わない、封緘の日付は書かないなどのルールがあるので注意が必要です。

封字以外の封緘ツール

手書きの封字以外にも封緘を示すツールがあります。代表的なのは次の3つです。

封字以外の封緘ツール

印鑑(封緘印)

手書きよりも厳重な印象をあたえます。「緘」がポピュラーですが、「封」などの種類もあります。

封緘シール

おもに祝賀状でお祝いの気持ちを演出するためや、案内状や招待状など、デザインにこだわった手紙で使われています。文字タイプから、ロゴなどデザイン性の高いものまで多くの種類があります。

封蝋(シーリングワックス/シーリングスタンプ)

古くからヨーロッパで封締めとして使われてきたのが、蝋(ろう)をもちいた封蝋です。封緘シールと同じく、事務的な文書のやりとりで使用されることはありませんが、デザインや形状の凝った手紙に使うとおしゃれでクラシックな印象を与えることができます。

おわりに

以上、封筒の閉じ方と封字の書き方、効率的に封緘作業を進めるコツをご紹介してきました。「意外と細かいルールがいっぱいだな……!」と戸惑われたかもしれませんが、それも最初だけ。実際に作業すればすぐに覚えてしまうでしょう。
それよりもマズいのが、悪い意味で慣れてしまって、いい加減な気持ちで作業すること。記事にも書きましたが、大切なのはやっぱり受け取る相手を思う気持ち、「丁寧さ」だと思うのです。
たしかに封緘は地味な作業かもしれません。でも心を込めて続けていれば、きっと見てくれる人、評価してくれる人があらわれるはずです。この記事が、そんなあなたのお役に立てるとうれしいです!

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DM Watch 編集部

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ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。