ダイレクトメールの成功と失敗の基準は?

2018.05.01発送代行記事一覧
Pocket

DMにはレスポンス率やLTV、ROI、引き上げ率など、さまざまな効果指標があります。そのため、「結局何を基準に成功と失敗を判断すれば良いのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

正しい判断基準をもっていないと、ムダに赤字を増やしたり機会損失を招いたりする可能性もあります。ぜひこの記事をご覧いただき、DMの成果を正しく判断する基準を覚えておいてください。

DMの成否の基準は限界CPO

DMの成否を判断する基準として多く使われているのが、「限界CPO」という指標です。

ご存じない方のために説明すると、CPOは「Cost Per Order」の略。1件の受注(=顧客)を獲得するために費やしたコストのことで、広告物の費用対効果をはかる指標です。

CPOの詳しい説明や計算方法こちらの記事をご覧ください。

そして「限界CPO」とは、これ以上1件の受注にコストをかけると費用対効果がマイナスになってしまうCPOのこと。つまり、限界CPOより実際のCPOが良ければ(=下回れば)、そのDMによって売上が上がるということになります。

限界CPOの算出方法

限界CPOの算出にあたりカギとなるのがLTV(=Life Time Value:顧客生涯価値)です。

LTVとは「ひとりの顧客がうみだしてくれる利益または売上」のことで、DMで獲得した新規顧客が将来もたらしてくれる利益額の目安にもなります。

LTVの計算式は、厳密なものからざっくりしたものまでいくつかありますが、一般的には次の2つが用いられています。

※ここでは仮に粗利益(販売単価-商品原価)ベース、1年間区切りでLTVを算出していますが、企業によっては売上ベースで、区切りも数カ月や数年の場合があります。

LTVの計算式

  1. LTV(円)= 1年間の総粗利益 ÷ 1年間の総顧客数
  2. LTV(円)= 1年間の平均客単価(粗利) × 1年間の平均購入頻度

そして、このLTVから広告費と商品原価を除いた年間顧客コストを引くと、限界CPOが算出できます。

限界CPOの計算式

  • 限界CPO(円) = LTV-(広告費・商品原価を除く年間の総コスト/総顧客数)

限界CPOの算出例

実際に例をあげて、限界CPOの算出方法をみていきます。

ある通販会社の場合

  • 1年間の総顧客数:20,000人
  • 1年間の総利益:400,000,000円
  • 1年間の広告費を除く総コスト:100,000,000円

たとえば上記のような通販会社のLTVと限界CPOは、次のように算出します。

  • LTV:20,000円 = 400,000,000円 ÷ 20,000人 ※計算式1.
  • 限界CPO:@15,000円 = 20,000円 – (100,000,000円/20,000人)

よって、DMのCPOを@15,000円以下におさえることができれば、1年後にはコストをペイできることが見込めます。

ある店舗の場合

  • 1年間の平均客単価(利益):8,000円
  • 1年間の平均来店回数:5回
  • 1年間の総顧客数:1,000人
  • 1年間の広告費を除く総コスト:30,000,000円

たとえば上記のような通販会社のLTVと限界CPOは、次のように算出します。

  • LTV:40,000円 = 8,000円 × 5回 ※計算式2.
  • 限界CPO:@10,000円 = 40,000円 – (30,000,000円/1,000人)

こちらはCPOが@10,000以下であれば、そのDMは成功というわけです。

リピート性の少ない商材の目標CPOの算出例

リピート性の少ない商材とは、高級家具や不動産、ウェディングサービスなど、一度購入(利用)すれば、その後リピートする見込みの少ない商品・サービスのことです。

これらの商材は、商品・サービス単価の粗利益が限界CPOになります。

  • 限界CPO = 商品・サービス単価 – 原価

たとえば単価500,000円の家具の原価が125,000円とすると、限界CPOは375,000円となり、DMのCPOがそれ以下であれば、利益が出て成功というわけです。

ただし実際は、商品単価には人件費などの経費も含まれているため、より厳密に限界CPOを算出する場合は、ここからさらに経費を引いて算出します。

おわりに

実際にDMを実施してみるとわかりますが、最初から限界CPOをクリアすることはなかなかありません。限界CPOは@7,000円でも、実際のCPOは@10,000円や@20,000円になってしまうことがほとんどです。

だからといって、その時点でDM施策自体を失敗と判断してストップしたり、規模を縮小したりするのは早計です。その後リピート促進や客単価アップを図ることでLTVを向上させることができれば、新規顧客獲得のコストをペイすることは可能だからです。

他の記事でも繰り返し述べている通り、基本的にDMは、ABテストを重ねながら徐々に効果を上げていくものです。最初は限界CPOにはこだわらず、レスポンス率かコンバージョン率を基準にテストを重ね、クリエイティブの向上を図っていくことをオススメします。

 

タグ : マーケティング
Pocket

The following two tabs change content below.
DM Watch 編集部

DM Watch 編集部

ディーエムソリューションズ㈱のダイレクトメール・物流のエキスパートメンバーで結成。法人取引9,000社以上の実績にもとづいた、DMの反響アップ、コスト削減、業務改善などに役立つ情報を続々発信していきます。